相互誘導と補完関係のメディア・ミックス
どちらかのメディアを読むことで、もう一方のメディアを読みたくなるような仕掛けを施すことはメディア・ミックスの利点であり、相乗効果が期待できます。そして、両方を読むことで、会社の動きが多面的にわかる仕掛けです。例えば、Web社内報に掲載したニュースの背景を次号の社内報で詳しく解説するとか、逆に社内報で取り上げたプロジェクトの進捗状況をWeb社内報で随時報告するなどして、速報性が必要となる情報をWeb社内報で掲載し、その情報に関するじっくり読ませる内容を社内報に掲載していくのです。
あるいは、ある情報産業企業の事例ですが、社内報では「人」を中心に取り上げ、Web社内報では「事実」を中心に取り上げるというパターンをとっているところもあります。
補完関係としては、社内報で取り上げ切れなかった情報をWeb社内報にて詳しく掲載するというものがあります。社内報にはサマリーを掲載し、物理的制約のないWeb社内報に全文を掲載する方法です。CSR報告書も同じようなパターンが増えています。
社内報のバックナンバーを、Web社内報にアーカイブとして掲載しているところもあります。全文検索機能もあると、いちいち誌面を開かなくても探している誌面がすぐに見つかり大変便利です。
コンテンツのすみ分けではありませんが、社内報の読者アンケートを取るのに、Web社内報に回答フォームを作って収集しているところもあります。メールで連絡して回収率のアップを図っているようです。
Pull型をPush型に、デジタルサイネージの活用
これから活用が増えてくるメディア・ミックスが、Web社内報とデジタルサイネージの組合せです。Web社内報の導入 基本の「き」 6つのポイントでも記したように、Web社内報はPull型なので、閲覧してもらうには魅力あるコンテンツが必要となります。その魅力あるコンテンツをデジタルサイネージに掲載し、Web社内報を開いてもらうという仕立てです。マグネットポイントにデジタルサイネージを設置すると効果的
デジタルサイネージも設置する場所が大切です。マグネットポイントという言葉を聞いたことがあるでしょうか? フロアの一角にコピーやプリンターを集めた場所があるかと思いますが、そのような共用設備が集約されているところを言います。そのような場所にデジタルサイネージを設置します。コピーをしている時、出力したものを取るときに目に入るように設置するのです。
あるいは、リフレッシュコーナや打合せコーナーの近くに設置する場合もあります。ちょっと手を休める瞬間に目に入るように仕向けるのです。そこに面白いWeb社内報のコンテンツが存在すれば、自席に戻って改めてWeb社内報を開き閲覧してくれる可能性があります。
ディスプレイの価格はかなり安くなってきましたが、デジタルサイネージとWeb社内報をリンクさせるシステムはまだまだ値が張ります。しかし、このようなPull型メディアであるWeb社内報の弱点をPush型メディアであるデジタルサイネージで補うというメディア・ミックスがこれから進展してくるでしょう。