企業経営のノウハウ/社内報の活用法

ウェブ社内報の導入 基本の「き」 6つのポイント

Web社内報を導入する企業が増えています。しかし、そのメリットとデメリットをしっかりと把握されている方は少ないようです。ここでは、Web社内報を導入する前に押さえておきたい基本を紹介します。

豊田 健一

執筆者:豊田 健一

総務人事・社内コミュニケーションガイド

ウェブ社内報が導入される理由

Web社内報の導入が増えています。その理由として挙げられるのが、速報性です。環境変化が激しい現代においては、社内のコミュニケーション、情報伝達にもスピードが求められます。3ヶ月に一度の季刊社内報での情報共有では間に合いません。情報伝達のスピードが会社の命運を左右する時代にあって、Web社内報は必須の経営ツールと言えます。
社員がWeb社内報を立ち上げている姿

多くの企業でWeb社内報の導入が進んでいる



情報インフラが整備されていることも導入の後押しになっています。一人一台パソコンが配備されていると、自然発生的にWeb社内報の導入が検討され始めます。スマートフォンなどのモバイル端末の普及も一役買っています。

一方、景気が悪くなると、多くの企業で社内報の予算が削減されます。印刷社内報からWeb社内報へのシフトが検討され始めます。印刷コストの削減となると同時に、カラー印刷からモノクロ印刷となると、社内報は従業員一人ひとりに配布されるものなので、従業員へのインパクトが大きく、社内コスト引き締めの象徴として利用されるケースもあります。

基本その1:Web社内報のメリット

Web社内報について、印刷社内報との比較においてメリットを整理すると次の点が挙げられます。

■ 速報性:随時更新が容易にできる
情報を掲載したい時にすぐにアップすることができ、印刷物のように発行を待たずに随時伝達が可能

■ 拡張性:階層を持つことが可能
物理的な制約がない分、様々な展開が可能。補足情報へのリンク、他のサイトへも誘導できる

■ 保存性:検索が容易
体系的に整理して保存ができ、検索機能により、閲覧したい過去の社内ニュースなどがすぐに取り出せる

■ 双方向性:参加型メディア
回答フォームやメーラー、「いいね」ボタンなどにより、閲覧後すぐにアクションが起こせる。アンケートはリアルタイムで集計が可能

■ 経済性と環境性
印刷、配送コストがかからず、印刷社内報より安価。保存スペースも必要なく、廃棄するものが生じない

印刷社内報と比較してメリットが多いWeb社内報ですが、デメリットや注意点もあります。それらを事前に把握しておかないと、導入後全く機能しないものとなる可能性があります。次からはそれらについて記します。

基本その2:Pull型メディアというデメリット

印刷社内報はPush型メディア、Web社内報はPull型メディアと言われます。前者は発刊されると、手元に配布されるなどしてコンテンツが届けられます。

一方、Web社内報はこちらからコンテンツを引き出す、見に行くメディアです。パソコンを起動させ、Web社内報の画面をクリックして、その中の見たいコンテンツをさらにクリックするなど、閲覧する側にそれ相応の意志が必要となります。逆に言えば、魅力あるコンテンツ、閲覧の必要があるコンテンツがないとWeb社内報は見てもらえないこととなります。印刷社内報を廃刊してWeb社内報にシフトすると、読まれる率が下がるという話もよく聞くところです。

リカバリーの難しさもあります。Web社内報は一度閲覧されなくなると、復活は非常に困難です。印刷社内報は手元に届くPush型メディアなので、表紙をリニューアルするなどして再度注目を集めることができます。しかし、Web社内報はリニューアルしたところで、閲覧しにいかないとその事実には気づきません。他のメディアなどで告知しないとリニューアルしたことは伝わりません。
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