2013年スタートの人気物件は、春先までに完売
好立地の中規模物件も好調 シニア層が牽引
2014年年初に未販売住戸があった都心エリアの大規模マンションは、トミヒサクロスやスカイズ タワー&ガーデンが春先までに完売。パークシティ大崎 ザタワーも最終期まで登録完売しました(7月26日時点でキャンセル住戸1戸あり)。相場観が変わる中、2013年スタートの好調物件は割安感もあり販売に拍車がかかりました。
また、好立地でプランニングに特徴あるマンションも早期に完売しました。パークホームズ築地グリーンサイドは、築地駅徒歩4分の築地川公園近くの全140邸。シニア層などの2人暮らしに広い部屋を意味する「グレートルーム」をモデルルームで提案。早期に完売しました。また、田園都市線「たまプラーザ」駅徒歩8分の美しが丘二丁目アドレスのプラウド美しが丘全69邸も早期に完売。住居系エリアの希少なロケーションだけでなく地下駐車場を設け、南向き比率を97%確保するなどプランニングも魅力的でした。
郊外エリアの再開発タワーの供給も活発です。柏駅東口徒歩3分のライオンズタワー柏や立川駅直結のプラウドタワー立川など中核都市での駅前再開発プロジェクトは、人気を集めています。また、「多摩平団地」の再生プロジェクト、クレヴィア豊田多摩平の森RESIDENCEが6月末に完売したように、地域に根ざしたプロジェクトは地元層の幅広い年代の支持を受け人気があります。
好調物件に共通するのは、50代や60代のシニア層に一定の支持を得ていること。7月に第1期230戸が即日完売したプラウドタワー立川(平均坪単価342.5万円)は、申込者の平均年齢が52歳。50代以上の申込が55%に上ります。人口ボリュームが高齢化にシフトする中、過去に住宅購入経験があるなど目の肥えたシニア層に支持を受けるマンションは、都心・郊外にかかわらず好調物件が目立ちます。
一方で、ターゲット層が一次取得者中心の物件は、在庫の多い新築戸建てとの競合もあり、やや販売ペースが遅い感じがします。
中古マンションの購入環境はさらに厳しく 在庫は低水準、価格は上昇
新築マンションも供給物件数が減少
東日本不動産流通機構発表の2014年6月度の月例速報によれば、2014年6月度の首都圏マンション成約件数は、前年同月比10.7%減少の2,812件。成約件数は、3カ月連続の対前年同月比で10%以上のダウンです。一方、成約価格は前年同月比で6.6%上昇。成約平米単価も6.4%アップしています。在庫件数は、33,848件で、1年前の38,422件と比べて大きく減少しています。価格上昇と品薄感で成約件数はダウンしているものの価格は相変わらず上昇トレンド。中古マンションで、良い物件を見つけにくい環境が続いています。
また、新築マンション市場を見ると、供給戸数は一定の水準を維持しているもののエリアごとにいざ物件を探すと、物件数が少ないのに気づきます。小規模マンションの方が大規模プロジェクトに比べ施工単価は割高になりがちです。こうした影響から供給棟数が昨年と比べて減少しているようです。
地域限定の方にとっては、中古マンションの在庫減少、新築マンションの棟数減少となかなか選びにくい状況になってきているようです。昨今の状況を考えると、工事費の大幅な下落はすぐには起きないでしょう。そう考えると、先になればなるほど選びにくい市況になるかも知れません。近々の購入を考えている方は、この状況をよく認識して、エリアを拡げるなり気になる物件には早めにアプローチするなどのアクションを心掛けて下さい。
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