まずは、スポーティな「コペン・ローブ」から登場
2代目コペンのラインナップは、スポーティな「コペン・ローブ」のつぎに、クロスオーバー風の「コペンXモデル(仮称)」を投入し、さらに先代の既存ユーザーなどを意識した丸目の「第3のデザイン」を2015年にも送り出す構えだ。先陣を切った「コペン・ローブ」は、トランスミッションはCVTもしくは5MTで、駆動方式はもちろんFF。燃費はCVTが25.2km/L、5MTが22.2km/Lとなっている。
走り出しはCVTも5MTも見た目どおり軽快で、前者は870kg、後者は850kgという軽さを存分に感じさせてくれるもの。外板の一部に新型コペンと同じ樹脂を採用しているタントと比べると、約50~110kgも軽いのが低速時でも十分に伝わってくる。
「感動の走行性能」をテーマのひとつに掲げているだけに、試乗のメインステージだった箱根ターンパイクに分け入るとつぎのコーナーが待ち遠しいほど、意のままに小さなボディを操ることができる。
数センチ単位でクルマをコントロールできる「気分になるのは」、スポーツカーの入門でもあるライトウェイトスポーツに欠かせない資質だろう。
エンジンは自主規制値いっぱいの64ps/6400rpmの直列3気筒DOHCターボで、最大トルクは92Nm/3200rpm。こちらもタントと同じスペックだが、ボディが軽い分加速フィールも軽やかだ。
それでもミズスマシのようにスムーズにコーナーをパスする新型コペンだけに、もっとパワーがあれば! と思わせるシーンもあったがそれはまさしく「ない物ねだり」。5速しかないMTも同様……。
飛ばせばもちろん、飛ばさなくても楽しい
しかし、眉間にしわを寄せて飛ばさなくても楽しめるのは、初代同様、新型コペンの魅力だ。とくに屋根を開け放って走るなら、鼻歌まじりでステアリングを握るくらいの速度がちょうどいいかもしれないとも思わされた。高速道路での最高速である100km/hくらいだと車内の風の巻き込みは盛大になるが、サイドウインドウを閉めればなんとかガマンできる範囲だ。
なお、樹脂製ルーフのオープンは、Aピラー最上部両側にあるフックをはずして、スイッチを押すだけ(戻す際はスイッチを押して最後にロック)。約20秒でフルオープンになるルーフは、安全性を考慮して走行中の操作はできない。
新型コペンはブリヂストンの「ポテンザRE050A」を履くためもあり、悪名高き西湘バイパスのジョイント部ではショックも少なくないが、剛性強化されたボディフレームにより、揺すられてどうにもならない振動に襲われてしまう、という感じでもない。逆に、これくらいならスポーツカーに乗っているという実感を抱くことができた。
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