激戦区の背高ワゴンに新型車「ムーヴキャンバス」が登場

ムーブキャンバス

デザインが特徴的なムーヴキャンバス。画像はG“メイクアップ SA II”


昨今の軽自動車販売低迷で苦しむダイハツが『ムーヴキャンバス』という新型車を発売した。写真を見て頂ければ解る通り、いわゆる激戦区の背高ワゴンに属す。ダイハツでいえば、子供の居るファミリーに人気となっているスライドドアの『タント』と、女性ユーザーが多い『ムーヴ』の中間くらいの商品だと考えればいいだろう。

すなわち、車高はタントとムーヴの中間。リアのドアはタントと同じスライド式。価格もタントとムーヴの中間といった具合。小さい子供の居る人は圧倒的にスライドドアが便利ながら、通常の使い勝手からすれば気楽に開閉出来る普通のドアで問題なし。だったら安価で燃費の良い(普通のドアの方が軽い)方を選びたくなる。

ムーブキャンバス

ムーヴやタント、キャストとユーザーの奪い合いになる?


とはいえ軽自動車を買うようなユーザー層は「気分」で決める傾向。可愛いデザインの新型車が出てくれば飛びつくと言うことなんだろう。残念ながら軽自動車を買わないユーザー層を引っ張って来るような魅力や特徴は持っていない。おそらくムーヴやタント、そして昨年発売し、売れ行きが伸び悩んでいるキャストとユーザーの奪い合いになると思う。

室内は広々、成人4人のロングドライブも余裕。だが自動ブレーキは気休め程度?

ムーブキャンバス

室内空間は広々としていて、成人4人でのロングドライブも余裕。画像はG“メイクアップ SA II”のシート


気になる室内の使い勝手は全く不満無し! 今やこのカテゴリーの軽自動車のリアシートに座ると、白いナンバーの1300ccクラスなど相手にしない広さを持つ。1500ccや1600cc車と比べたって勝るほど。成人4人でのロングドライブも余裕。ムーヴキャンバスにはターボエンジン搭載車がないけれど、女性ユーザーなら問題なかろう。

スマートアシスト2

ダイハツの『スマートアシスト2』は、衝突の危険性がある前方の車両や歩行者を認識すると、ブザーとメーター内表示で警報を知らせる


参考までに書いておくと『スマートアシスト2』と呼ばれるダイハツの自動ブレーキの機能は、ほとんど気休め程度。公的な試験結果(※)を見ると、信号待ちなどで停車している車両に対しノーブレーキで接近した時に停止出来る上限速度は25km/hまで。ライバルであるスズキのデュアルカメラ式だと50km/hで停止可能。

50km/hから止まってくれれば追突事故の約80%を防止出来るが(スバルの実績データ)、20km/hでは“ほぼ”期待出来ないと考えていいだろう。今や絶対必要な装備である自動ブレーキの性能で軽自動車を選ぶのなら、このカテゴリーで圧倒的な性能持つスズキの『デュアルカメラブレーキサポート』付きをすすめておく。

※試験成績【JNCAP】のデータ(ともにPDFデータ)
ダイハツ ムーヴ
スズキ ハスラー

価格はベーシックグレードで自動ブレーキ付きの『L“SA II”』で125万2800円。ほぼ同じ装備内容のムーヴ『L“SA II”』が120万9600円なので、実質的にスライドドア分しか高くない。両車を比べたら新しいムーヴ・キャンバスに魅力を感じることだろう。ワンランク背の高いタントの同等グレードは128万5200円。

このあたりが軽自動車業界にとっての「迷路」なんだと思う。商品力も広さも価格も変わり映えしないため、新型車出るとそちらに流れてしまい、軽自動車全体のシェアは増えない。加えて若いユーザー層は「側面衝突で軽自動車は危険」という情報がSNSなどを中心に広まっており、コンパクトカーを選ぶ傾向も出てきた。

実際、2017年から始まる新しい斜め方向からの側面衝突基準は、車幅の狭い軽自動車の方が低い衝突速度となっている。普通車並みの側面衝突性能を持つ軽自動車など提案してこない限り、若い世代の軽自動車離れは止まらないだろう。ちなみに、軽自動車を買うなら必ず側面衝突対応のサイド&カーテンエアバッグを付けて欲しい。

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