独学者の哲学
杉本氏は、新時代の若き才能を発掘する日本最大級の料理人コンペティションと謳われている「RED U-35」で優勝しただけあって、料理に対する情熱は並々ならぬものがあります。杉本氏の哲学の一部を以下に抜粋します。読んでみると分かるように、自分の料理スタイルに大きな自負を持っていることが伝わってきます。自身にとって何がおいしいものであるかという定義がはっきりしており、明確に表現できているところが、料理の力強さにつながっているのではないでしょうか。誰か師事するシェフもなく、有名店のレシピを持つこともなく、ただ私がおいしいと思ったものを、自分がおいしいと思う状態に仕上げる。そのおいしいものを仕上げる基本がフランス料理なのです。
私にとってフランス料理は、まず熟成です。日本は新鮮=おいしい。というイメージが強いですが、フランスでは時間が経過したものほど、おいしくなるものがたくさんありました。みなさんご存知のワインやチーズや生ハムが代表的な例です。
~ 略 ~
あとフランス料理の醍醐味であるソースです。丁寧に取られたフォン・ド・ヴォ―やフォン・ド・ヴォライユをベースにしっかりと煮詰めて、大量の赤ワインや白ワインなどで仕上げます。ソースにはこのワインの酸味が不可欠で、こうして仕上げられたソースは、素晴らしいワインとのマリアージュを約束してくれます。
ムニュ・フィネス
ディナーに杉本氏の料理を堪能できるコースがあるのでご紹介します。
ムニュ・フィネス 22000円(税込、サ別)
トリュフなど最高級食材を使ったお任せコース
メニューには使われる食材の名前しか書かれていません。その時その時で最も相応しい調理方法を選んだり、既存のフランス料理の枠だけでは捉えきれなかったりするが故です。