損害保険/火災保険の基礎を学ぼう

火災保険料2015年10月に一部値上げ! 節約の方法は?(2ページ目)

火災保険の参考純率が平均3.5%値上げに改定されました。これを受けて損保各社は2015年10月より火災保険料を改定します。損保各社の動向を踏まえて、値上げとなる火災保険の現状と火災保険料を安くする方法を解説します。

平野 敦之

執筆者:平野 敦之

損害保険ガイド

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火災保険に新しく「築浅物件割引」が導入される!?

火災保険料を安くする方法は?

火災保険料を安くする方法は?

火災保険の保険料率が改定されるのは既にお話しした通りですが、その他にも改定されることがいくつかあります。各損保で方針は色々ですので、大まかな方向性をお伝えしておきましょう。

一つ目は新たな割引の新設です。ある程度共通する形ででてきそうなのが、「築浅物件割引」です(名称は各社ごとに多少異なります)。

火災保険の場合、新築や築浅など建築年数が浅いほど損害率が低い傾向にあります。こうしたことに該当する物件について割引を適用するものです。

短いところだと新築から11カ月以内、長いところで新築から10年くらいを目処に割引が適用されます。新築からの年数と保険期間によって割引率1~10%の割引が適用されます。

二つ目は補償に対する免責設定について。メガ損保を中心に最近ではすべての補償(火災、風災、水災、雪災など)に共通した免責金額の設定するのが中心になりつつありました。

これを残しつつ、風災・雹災・雪災の以前あった20万円以上の損害になった場合に保険金を支払う制度を復活させ選択適用できるようにするところがあります。他にも水災の補償の支払いを縮小する(保険金を減らして支払う)支払いを付帯できるようにするところもあります。

保険料が上昇するなかで、自費で負担する選択の幅を増やしている印象です。この考え方は昨今の自動車保険にも共通して言えることです。

火災保険の保険料を少しでも安く抑える方法は?

今後、火災保険の保険料を安く抑えるためには、どう考えればいいのでしょうか。最初にするべきことは、住まいの周囲のリスク環境を確認することです。

最近の損保各社の火災保険は、必要な補償を選択したり、はずしたりすることができるようになっています(あるいは補償の範囲を変えた複数のプランから選択する)。

例えば水災は要・不要が比較的分かりやすい補償です。水災のほかにも、自分の住まいの環境にはいらない補償が付いていないか確認してみてください。

また免責金額(自己負担金額)の設定も今後はポイントになります。すべての補償に一律3万円などの免責設定をすれば、その分保険料は安くなります(免責金額は保険会社によって異なり、また設定金額もいくつか用意されているケースもある)。この場合3万円は常に自費になりますが、細かい負担は自分でカバーし、家計でカバーしきれない大きな損害は火災保険に任せる、というのもこれからは一つの考え方です。

自動車保険のように、保険金の支払いがあると翌年以降の割引率が変わる、ということがないのも火災保険の特徴です。また、火災保険料を長期契約にすることで1年ごとの契約よりも負担を軽くすることが可能です。

これまでのように、事故の大小を問わず保険でカバーするやり方は変わっていくのではないかと考えます。家計の予算と相談しながら火災保険の設計をしていきましょう。2015年10月以降、保険料がアップするのか、ダウンするのかで個別にすべきことは違ってきます。まずは現状の契約内容をチェックしつつ、改定後どうなるかを確認しましょう。

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