損害保険/火災保険の基礎を学ぼう

火災保険料2015年10月に一部値上げ! 節約の方法は?

火災保険の参考純率が平均3.5%値上げに改定されました。これを受けて損保各社は2015年10月より火災保険料を改定します。損保各社の動向を踏まえて、値上げとなる火災保険の現状と火災保険料を安くする方法を解説します。

平野 敦之

執筆者:平野 敦之

損害保険ガイド

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火災保険料が2015年10月からいよいよ改定

火災保険の参考純率はなぜ値上げ?

火災保険の参考純率はなぜ値上げ?

損害保険料率算出機構が、2014年7月に火災保険の「参考純率」の改定を行いました(2014年6月25日、金融庁長官へ届出、2014年7月2日適合性審査結果通知受領)。

これを受けて損害保険各社が2015年10月より火災保険の改定を実施します。

保険料率改定はもちろんですが、火災保険の制度に関わる改定も行われる予定です。今後の火災保険の加入に大きな影響を与える改定になりそうです。2015年10月からの火災保険の改定や値上げ(値下げもあり)及びその内容について解説します。

火災保険の参考純率、平均3.5%値上げ

最初に参考純率についてお話しておきましょう。保険料率は以下の2つに分けられます。

・純保険料:事故発生時の保険金支払いにあてられる
・付加保険料:保険会社の事業運営に必要な経費等にあてられる

参考純率とは上記のうち、純保険料率に該当する部分を損害保険料率算出機構が算出・提供しているものです。損害保険会社はこれを参考に修正、あるいはこれを使わずに純保険料率を算出します。

これを受けての火災保険料率の改定となりました。参考純率が平均で3.5%値上げといってもこれに惑わされてはいけません。

全平均での保険料率が値上げとなっても、実務的には所在地や構造級別などによって改定幅にはかなりバラつきがあります。当然、値下げされるケースもあります。この点について勘違いしないようにしてください。

火災保険の参考純率が改定された理由

損害保険料率算出機構が金融庁長官に届け出たのは、主に次の2点です。

・住宅総合保険の参考純率を平均3.5%引き上げ
・火災保険の参考純率は保険期間10年間までの契約に適用

改定の背景は、主に保険金の支払い増加によるものです。特に自然災害(台風、竜巻など台風以外の風災、雹災、雪災)や水漏れ損害(水漏れ損害や老朽化)の保険金の支払いが増加しています。他にも、地球温暖化により自然災害の将来予測に不確実な要素が増している、との研究成果が発表されたことなども今回の改定に関係しています。

火災保険の参考順率が上がった例・下がった例

参考純率の主な改定幅は下記のようになっています。

【改定率の例(出典:損害保険料率算出機構)】
●M構造(マンション)
東京都:+12.0%
大阪府:+12.0%
北海道:+7.2%
青森県:+16.7%
福岡県:+24.1%

●T構造(耐火構造)
東京都:-0.2%
大阪府:-4.2%
青森県:+24.7%
島根県:-6.7%
熊本県:+26.5%

●H構造(非耐火構造)
東京都:-4.5%
大阪府:-16.0%
秋田県:+23.2%
香川県:-20.3%
福岡県:+28.7%

特に、M構造のマンションの値上げの比率が高くなっています。もともと木造に比べて保険料は安いのですが、マンションの場合には漏水事故がどうしても多くなり、その影響等もでているようです。

2015年10月の改定まで2カ月を切っていますが、この時期なら各社、具体的に改定前後でどのくらい保険料が変わるかの試算はできるようになっているはずです。上記の数字はあくまで参考程度。具体的な試算はぜひ加入先の保険会社に照会してみてください。

損保各社の動向や、火災保険料を少しでも安く抑える方法は次のページ>>
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