フランス語

フランス語の新語をチェックしよう!(2ページ目)

3Dプリンター、電子たばこといった毎年新しく産み出される世相を反映する新語。フランス語においては、われわれ学習者は新バージョンの辞書をチェックすることで、そうした新語やフランスにおける世相を知ることができます。今回はそんなフランス語の新語にスポットライトをあててみましょう。

越智 三起子

執筆者:越智 三起子

フランス語ガイド


フランスで消えゆくfumeur(喫煙者)

fumeuse

煙草から電子タバコへ

喫煙大国として知られるフランスですが、昨今は屋内にある公共の場での喫煙が禁止されたり、度重なるたばこの値上げとfumeur(フュムール/喫煙者)たちも頭を抱えることが多くなってきました。そうした中で、爆発的な人気を得ているのがcigarette électronique(シガレット エレクトロニック/電子たばこ)。従来のように煙をふかすのではなく、ニコチン入りの蒸気を吸引するため、vapoter(電子タバコを吸う)という動詞が新語入りしました。

そのためこれまではたばこでfumée(フュメ/煙)を吸っていたfumeurたちも、今や電子タバコでニコチン入りのvapeur(ヴァプール/蒸気)を吸引する存在ですのでvapoteur(ヴァポトゥール)と呼ばれるようになってきています。

フェミニズムはもう古い?!

フランス人権宣言の正式名称は、Déclaration des croits de l'homme et du citoyen(人間と市民の権利の宣言)。この中でhomme(オム)という単語は「男性」を指す言葉であり、citoyen(シトワイヤン/市民)という単語も男性形になっています。そこにfemme(女)が含まれていないことを問題視したオランプ・ド・グージュが発表したのがféminisme(フェミニスム/フェミニズム)運動の始まりと言われるDéclaration des droits de la femme et de la citoyenne(女性と女市民の権利宣言)。hommeがfemmeに、男性形のcitoyenが女性形のcitoyenne(シトワイエンヌ)にきちんと書き変えられています。

そんなféminisme運動の元祖ともいえる国フランスにおいても、masculinisme(マスキュリニスム)という単語が辞書におさめられる時代がやってきました。masculinismeとは、社会において男性の権利の拡張を要求し、男性に対する性差別の撤廃を目指す思想や運動全般のことを指します。いわば、féminismeの男性版ですね。日本ですと男性差別の対象として「女性専用車両」などが時に議論の的になったりすることがありますが、まだまだ言葉としては浸透していない感があるのではないでしょうか?

こういう単語が辞書に入ってくると時代は大きく変わりつつあるのかなという気がしてきますね。関連サイトでぜひその他の新語もチェックしてみてください。新しい発見がきっとありますよ!

【関連サイト】
『Les nouveaux mots du dictionnaire 2015』(2015年の新語とその定義をフランス語で読むことができます。)

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