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2014年度の年金額と2014年4月以降の年金改正をご案内します

毎年4月を迎えると、公的年金の支給額は見直しが行われます。公的年金は偶数月に前2ヵ月分が振り込まれるしくみなので、新しい支給額の年金が振り込まれるのは6月からです。新しい支給額をみて「最近、物価や賃金は上がってきているのに、年金は減っている?なぜ?」と思った人もいるかもしれません。今回は2014年度の年金額がどうやって決まったのか、その理由を解説し、さらに2014年度に実施される年金の改正情報を合わせてご案内します。

<INDEX>
2014年度の年金額
年金の受給額を確認~事例を使った年金額計算
特例水準の老齢厚生年金と本来水準の老齢厚生年金
その他の年金改正

2014年度の年金額

公的年金の支給額には、「物価変動率」と「名目手取り賃金変動率」を基準とした改定率が反映されます(詳細はこちらをご覧ください)。2013年の物価変動率は0.4%、名目手取り賃金変動率は0.3%と、ともにプラスの値になりました。このため、改定ルールにより、2014年度の改定率は名目手取り賃金変動率の0.3%を基準とした値になりました。

ただし、2000年度から2002年度まで物価が下落したことを反映させる物価スライドを行わずに年金の支給額を据え置いたため、現在の年金の支給水準は本来水準よりも高いものとなっています。この支給水準を「特例水準」といいます。2012年に成立した法改正により、2013年10月から2015年4月にかけてこの特例水準を解消するため、支給額の段階的な引き下げが実施されています。2014年4月には、特例水準解消のため年金額は1%引き下げられる予定でしたが、改定率が0.3%だったので相殺され、その結果、0.7%の引き下げとなりました。これにより、2014年度の特例水準のスライド率は3月までのスライド率である0.968を0.7%引き下げた0.961(=0.968×0.993、少数第4位以下を四捨五入)になります。

特例水準の老齢基礎年金の満額は、2002年度の老齢基礎年金に改定率を乗じて計算され、その結果、2014年度の満額の老齢基礎年金は772,800円となりました。これは、20歳から60歳までの40年間全て納付済みである場合の年金額になります。納付済み期間が40年(480月)に満たない場合は、その期間分が減額されて金額が計算されることになります。

一方、老齢厚生年金は現役時代の収入によって年金額が異なる「報酬比例」の年金です。つまり、入社したときから、退社するときまで(転職した場合は通算)の全期間の給与や賞与(標準報酬月額・標準賞与額)の平均額をもとにして、生年月日によって決まっている給付乗率と厚生年金保険に加入した月数を掛けて年金額を計算します。

なお、2003年4月に導入された総報酬制により、賞与が報酬比例の年金額に反映されるようになりました。したがって、老齢厚生年金の年金額を求める計算式は、2003年3月までの加入期間をもとにした年金額と、2003年4月以後の加入期間をもとにした年金額を別々に計算し、合計した額となります。

2014年度の特例水準の老齢厚生年金(報酬比例部分)は以下の計算式より求めることができます。

特例水準の老齢厚生年金=(A+B)×1.031×0.961
A:平均標準報酬月額×7.5/1000×2003年3月以前の厚生年金加入月数
B:平均標準報酬額×5.769/1000×2003年4月以降の厚生年金加入月数

計算式の詳細についてはこちらをご覧ください。

年金の受給額を確認~事例を使った年金額計算

それでは、事例を使って2014年度の年金額が前年度に比べてどのくらいの金額になるのか、比較してみましょう。

【例】
サイトウカズオさん(昭和22年4月生まれ、67歳)は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給しています。サイトウさんの公的年金の加入歴と平均標準報酬月額及び平均標準報酬額は、次の通りです。

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サイトウさんは、厚生年金と同時に国民年金に加入していたので、加入月数に応じた老齢基礎年金と加入月数及び平均標準報酬(月)額に応じた老齢厚生年金を受給しています。サイトウさんの2014年4月からの年金額は次のようになります。

●老齢基礎年金
(特例水準)
772,800円×444月/480月=714,800円(100円未満四捨五入)
●老齢厚生年金(特例水準)
A=30万円×7.5/1000×396月
B=55万円×5.769/1000×48月
(A+B)×1.031×0.961=1,033,700円(100円未満四捨五入)

1年間の受給額の合計は1,748,500円、1ヵ月の受給額は145,708円(1円未満切り捨てとする)となります。