バレエ/大人バレエのテクニック解説

大人バレエの技術解説10 「ピルエット」

ピルエットは 「旋回」 という意味です。両足のドゥミ・プリエから両足で踏み切って軸脚のドゥミ・ポアントかポアントに立ち、動脚は膝を曲げてつま先が軸脚のくるぶしか膝につけ、1回転以上回転させます。ピルエットには、普通のピルエットと、動脚が軸脚から離れるグラン・ピルエットの2種類があります。また、回転方向の差によって難易度も変わってきます。今回は、ピルエットについて考えてみましょう。

執筆者:石島 みどり

ピルエット・アン・ドゥオール

ピルエットは、回り方によって難易度が異なります。ご自分の実力にあった回り方から練習すれば、苦手意識が和らぎます。

ピルエットは、回り方によって難易度が異なります。ご自分の実力にあった回り方から練習すれば、苦手意識が和らぎます。

アン・ドゥオールは 「外側に」 という意味です。ですから、このピルエットは軸脚に対して外側に回転します。左脚軸で右動脚の場合、右方向に回転します。動脚つま先はシュル・ル・ク=ドゥ=ピエ前か、ルティレ前に置きます。

代表的なピルエットは4番ポジションから始まるピルエットですね。ほとんどの場合、正面ではなくクロワゼの4番からピルエットをします。その他にも1番から、2番から、5番から始まるピルエット・アン・ドゥオールがあります。

◎ピルエット・アン・ドゥオールのコツ
回転する直前のプリエで、両足でしっかりと床を押してから一気に立ち上がることが大事です。ジャンプをするときと同じようなエネルギーで一気に立ち上がりましょう。そうすれば軸脚と上体がしっかりと立ち、体のラインが一本になります。この軸作りができれば回転が容易になります。


ピルエット・アン・ドゥダン

アン・ドゥダンは 「内側に」 という意味です。左脚軸で右動脚の場合、左方向に回転します。動脚の位置はアン・ドゥオールと同じです。

開始のポジションはアン・ドゥオールとまったく同じです。

◎ピルエット・アン・ドゥダン
アン・ドゥオールは両足を踏み切ることで動力を得ますが、アン・ドゥダンでは両足で床を踏み切ることはできません。その代わりに腕をしっかりとア・ラ・スゴンドに開くことで動力を得ます。動脚を横にひらく場合 (フェッテ・アン・ドゥダン) でもすぐにルティレに持ってくる場合でも、準備のポジションからプリエを深くして立ち上がる際、深くしたプリエの状態で腕をしっかりとア・ラ・スゴンドに開きましょう。そうすることで回転の動力を得られます。


グラン・ピルエット

グランは 「大きい」 という意味です。準備のポジションは普通のピルエットと同じですが、回転している最中の動脚の形が違います。膝が伸びた形では、前のデガジェ・ドゥヴァン、横のア・ラ・スゴンド、後ろのアラベスク。膝が曲がった形はアチチュード。動脚が軸脚から離れた大きなポーズで回転します。軸脚と上体を真っ直ぐに保つことが難しいピルエットですね。

まずは普通のピルエットをしっかりと練習し、軸作りができるようになってからグラン・ピルエットに移ってください。ピルエットは初級レベルだとしたら、グラン・ピルエットは中級から上級レベルだと言えます。

ピルエットのあれこれがわかると、難易度が整理されてきます。ご自分の実力に合わせて練習すれば、苦手意識が和らいでくるのではないかと思います。バレエの知識を得て、さらなる上達への道を突き進んでいただきたいと思います。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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