肌荒れのタイプと原因
気になる肌荒れのタイプと原因は?
一般的には肌に起こるトラブルを総称して肌荒れと呼び、医学的な定義などがあるわけではありません。ですので、一口に肌荒れと言っても様々な肌の状態が存在しており、それぞれの状態によって対処方法も異なります。まずは代表的な肌荒れの2タイプについて考えてみましょう。
かさつきタイプ
多くの方が秋から冬にかけて肌の乾燥やかゆみを感じたり、粉をふいてしまうことがあると思います。実はこうしたかさつきは秋冬だけでなく、夏場にもクーラーの風が原因で発生することがわかっています。
肌のかさつきは主に肌の表面にある角質層に不調が生じることが原因です。角質層は主に刺激物質・アレルギー物質といった外的刺激要因から身体を守るバリア機能と肌に水分や皮脂を保つ保湿機能を持っています。乾燥や外界からの刺激により頻繁に角質層が破壊されると、角質層の持つこの二つの機能が低下してしまい、肌がかさつくと考えられます。
また、角質層は破壊されても6週程度のサイクルで新しいものに置き換わっているのですが、ビタミン類の不足やたんぱく質の摂取不足などの栄養バランスの乱れがあると新しい角質層がうまく作られなくなり、肌のかさつきを悪化させる原因となります。
ニキビタイプ
中学や高校時代に多くの方が経験するニキビ。これは身体を成長させるために性ホルモンの分泌が盛んになり増えた皮脂が毛穴につまってしまい、そこに皮脂を好物とするアクネ菌が繁殖することが主な原因と考えられます。大人になってから発生するニキビも、生理前などにプロゲステロンという女性ホルモンが増加し皮脂分泌が盛んになることや、日常的になんらかのストレスにさらされた時に分泌される男性ホルモンにより皮脂の量が増加し発生することが一因と考えられます。
また、2013年に富士フィルムが行った発表では、大人に発生するニキビは皮脂の量よりも顔の肌の水分量が部分的に低下することが影響しているとしています。この研究によると、生理開始1週間前にニキビが発生する人は、しない人と比較してアゴ周囲の水分量が減少している傾向があることを明らかにしています。大人のニキビが皮脂分泌量の多いTゾーンではなくアゴの周囲に多発することも、この研究結果をみると納得ができるのではないでしょうか。
しかし、なぜ肌の水分が減少するとニキビが増えるのでしょうか?それは、乾燥して柔軟性の低下した角質層によって毛穴自体が閉じて中に皮質を貯めてしまい、そこにアクネ菌が繁殖しやすい環境を作ってしまうことが原因だと考えられています。
以上をまとめると、肌の乾燥を防ぐこと、ビタミン類やたんぱく質を含む食品を摂取すること、適度な皮脂の状態を保つことなどが肌荒れを防ぐポイントであると考えられます。
それでは、東洋医学の観点からみた肌荒れとは一体どのような状態なのでしょうか。また、肌荒れの改善に効果が期待されるツボはどこにあるのか、ご紹介していきたいと思います。