五十肩とその原因

五十肩

突然肩が重くなり、日常生活に支障が出る五十肩

ある日突然肩が重く感じ、次第に痛みで上に挙げたり後に回したりすることができなくなってしまう五十肩。夜も痛みで目が覚めてしまったり、服の着脱や洗髪、鞄を持つなど日常生活動作も痛みのために制限がでてしまうなど、その影響は深刻です。今回はそんな五十肩を整形外科学的な観点と東洋医学医学的な観点から捉え、症状の改善に有効なツボについて解説していきます。

五十肩は、正式な病名としては肩関節周囲炎と呼ばれ、その名の通り肩関節周囲にある靭帯や関節包、筋肉、腱板などの組織に炎症が起き、肩関節の可動域に制限が発生するものを言います。肩関節周囲炎は全人口の2%に発症し、40代から60代の年齢層に多いことが明らかになっています。

原因は特定されてはいませんが、関節を構成する靭帯や関節包、筋肉、腱板などが老化し動きが悪くなった状態で生活することで普段肩の動きを滑らかにするために働く肩峰下滑液包というクッションに炎症が発生することや、関節を包むカプセルである関節包自体に負担がかかり炎症が発生すると考えられています。

痛みの現れたかたも多彩で、肩関節自体が痛むことや肩から上腕に広がる三角筋が痛む場合、さらには手に痺れを感じることなどもあります。これは肩関節周囲炎の時に主に痛みを伝える神経である腋窩神経が支配している範囲が脇から肩、腕にかけて広がることと、肩甲骨の機能が低下し上肢に走る神経が牽引されてしまうことなどが原因と考えられています。

肩関節周囲炎では、発症から二週間を急性期、6ヶ月を慢性期、その後の期間を回復期としていますが、発症から7年後にも半数の患者に何らかの痛みや可動域制限があることを報告するもの(Shaffer B, et al,1992)もあり、筋力強化や可動域訓練などのリハビリテーションが重要であると考えることができます。また、肩関節周囲炎の原因には姿勢や生活習慣が大きく関わるため、肩関節の可動域拡大・筋力向上だけでなく胸椎・胸郭の可動性や肩甲骨の安定性を高めることも非常に重要であると言えるでしょう。

こうした基礎的な知識を踏まえ、東洋医学的な観点からみた肩関節周囲炎についてみていきましょう。