神保町の路地裏に見つけたホンモノ
読者に方にぜひおすすめしたいビストロを見つけた。ホンモノはいつも隠れているとはよくいうが、ここはまさにそれにぴったりとあてはまる。美味しかった!という記憶だけでなく、なんかほんとうにうれしいなあ、という気持ちだ。
フランスの田舎から飛んできたような素朴なエクステリア
一つ一つの料理の素材、仕込みの正確丁寧さ、素材の組み合わせ、野菜や肉のクオリティ、なじよりも「何を食べてどう美味しく感じるか」を追及するシェフの姿勢が、食べる側の私に震えさえ呼び込む。「産地から直送です」、なんてことも言わない。「信頼できる八百屋さんから継続して仕入れています」。その野菜は明らかに生きていて、クレソンの苦味が程よく残り、それをソーヴィニオンブランが身体の奥に流し込む。ワインは種類は多くはないがほんとうに良質なものが揃い、値段も非常に手ごろ。
ニシンのマリネ。これだけで白ワイン2杯はいけるだろう。
当日の夕方開店直後に「これから行きます」とだけ電話して突然の訪問。1分後にはカウンターにカトラリーがセットしてあり、すぐに冷えた白ワインを。すぐにお代わりを。グラスワインに特徴がわかり安く表現されており、気が付くと1本は飲んでいしまったのではないか。
特徴ある自然派ワインを楽しみたい
おっと、料理の注文を忘れていた。目に留まったのがニシンのマリネ。そしてスペシャリテの様の燻製、そしてハラミのステーキだ。ハーフポーションもあり、それならば、とサラダも追加だ。見た目の色合いが美しく、これもワインと共に一気に食べ進む。久しぶりにメニューを全部いただきたくなる衝動に駆られる。一皿食べるごとに食欲のスイッチが切り替わり、放っておけば大変案ことになっていたかもしれない。それを抑えるためにワインに走る。
とてもシンプルでわかりやすいリストだ
自然派ワインのセレクションも見事
無濾過の白ワインはロゼのようだ。「好き好みは分れますね」とシェフは話すが、分れるほうがおもしろいではないか。ワインもすべてシェフがセレクト。オーナーシェフだからできる楽しみを全身で表現している「美味しそうなシェフ」に久しぶりに会った気がする。
鯖のスモーク、ハーフポーション
ハラミステーキはアメリカンビーフを丁寧に下処理してグリエされる。ソースもやさしく、この倍はイケたかと後悔するほどだ。国産和牛のハラミでは実現できない1900円という値段はかなり魅力だ。
彩りも鮮やかなサラダ
馬場将吾シェフは「ツバメグリル」という洋食店とその関連飲食店で15年勤めた経験を持つ。フランスとか星付きレストランという言葉は出ない。しかし、フランスの田舎の地下厨房で玉ねぎの皮むきの修行よりも一つの店で長く腕を磨くほうがもしかしなくても実力になるに違いない。それも持続可能な。
意外にぺろりとイケるハラミステーキ
質素なインテリア。床もコンクリートのまま。しかし、ウッドの使い方が上手で不思議な居心地の良さが漂う。サービスも着かず離れず。
17時半に入店し、19時過ぎに出る頃にはワイン好きと思われる女性客が次々とご来店。これだけ食べて7000円。次は4人で出掛けてあらゆるメニューをいただくことにしたい。
ビストロフェーブ (bistro feve)
東京都千代田区神田神保町1-44-5 フィオーレ神保町 1F
地図
03-5577-6040
【平日・土】 ランチ 11:30~14:00 (L.O.13:30)
【平日】 ディナー 17:30~23:00 (L.O.22:00)
【土】 ディナー 17:30~21:00 (L.O.20:00)
日祝休
カウンター含め20席