住宅ローンの借り換え・返済/住宅ローンの借り換え先の選び方

共働き家庭の住宅ローン、返済リスクは3倍?(2ページ目)

夫婦2人の所得合計で住宅を買う方法として、収入合算やペアローンがあります。所得がダブルになれば、買える住宅の選択肢は増えますが同時に将来、返済が困難になる可能性も増えるのです。借り換えで家計の危機を回避することができた、相談事例を見てみましょう。

中村 諭

執筆者:中村 諭

住宅ローンガイド

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現在の住宅ローン

Aさんご夫妻の現在の住宅ローンは次のような内容です。
(※実際のご相談とは数字を若干変えています)
・ローン残高:2140万円
・金利:2.820%(全期間固定)

・残り期間:13年10カ月
・毎月の返済額:15万5840円
・完済までの総返済額:2586万9589円

Aさんご夫妻の住宅ローンは、もともと24年で組んでいましたので、現在借りている銀行に相談に行き、融資の期間を延ばしてもらうことも、選択肢の一つとしてはあります。でも、これは条件変更となり、債務者区分が落ちてしまうことが懸念されます。なので、まずは借換えから検討することにしました。

借換え後の住宅ローン

・ローン残高:2210万円
・金利:1.470%(フラット20年、実際の金利は融資実行月に確定)
・ローン期間:20年
・毎月の返済額:10万6337円
・完済までの総返済額:2552万1093円

借り換え前と借り換え後のローンの状況

借り換え前と借り換え後のローンの状況


見直し後の住宅ローン残高が増えていますが、これは、住宅ローンの借り換え時の諸費用として、登記費用、金融機関事務手数料、印紙税、初年度分の団体信用生命保険の保険料等が入っているためです。

借換え後の住宅ローンでは、団体信用生命保険料が2年目以降20年目までの19年間支払いが必要ですが、その見積もり額はおよそ120万円(デュエット「夫婦連生団信」の適用)です。この団体信用生命保険の保険料負担分を加算すると、総返済額は2672万円となります。

(借換えにより、既存ローンを全額返済することで、既払いの保証料返金が見込まれますが、今回の試算には入れていません)

借入期間を長くして、フラット35に変更したことで、総返済額は増えてしまいそうですが、毎月の返済額は5万円近く減額できました。

住宅ローンの借り換えにあたり

住宅ローンの借り換えにあたり、審査申込みに際して、「奥様が転職の為、現在の収入がゼロ円である事」を、正しく申告していただきました。今回のケースでは、借り換え前の住宅ローンについて、残り期間が短かったこと、残債が減っていたこと、そして、ご主人様の年収が住宅購入時よりも上がっていたこと、と条件がそろっていた為に、借り換えが可能でした。(後日、無事に再就職ができたと、喜びのお知らせを戴けました。繰上げ返済を頑張るとの事も)

しかしながら、ここまでの条件が揃うのは稀なケースだと思います。ダブルインカムで住宅ローンを組む場合には、今後のおふたりの働き方も熟考の上で、ローンを組む事をおすすめします。結婚間もない、若夫婦の場合は特に、出産で一時的にでも仕事を休む事もあると思います。その時の世帯収入で返済できる計画をして欲しいと思います。
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