男の靴・スニーカー

黒の靴クリームの「色」を 深く考える Woly Viola(2ページ目)

黒の乳化性靴クリームの「色」について、製品ごとに特徴を解説するシリーズ。今回はドイツのWolyと日本のJewelのViolaを採り上げます。両者は色の「出し方」はある意味両極端。いわばスペシャリスト的要素の高いもので、それに応じて使用目的にも違いが求められます。

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

11. Violaの黒

Jewel Viola Black

Violaの黒は顔料を用いず染料のみで色出ししているためか、非常に穏やかなグレイ。色ムラが出にくく、使い続けてゆくことでじっくり色がついていきそうな印象。「モゥブレィの黒」とほぼ同様の色合いです。

他社が追いかけない、あるいは気付けない「隙間」を何気なくもしっかり突いた製品が多い我が国のメーカー・Jewel。ここから出ている「Viola靴用クリーム(ビン入り)」もその典型で、流通量こそそれほど多くないものの、補色効果が自然で光沢と撥水性が長続きする靴クリームとして通の方に支持・愛用率の高い商品です。微妙な色合いを上手く表現できるので、私も何色か持っているのですが、その黒はと言うと……。

これが「モゥブレィの黒」に非常に良く似た色合いの、穏やかなニュアンスのグレイなのです。いや、それより極僅かに青味が強いかな? Violaは「物理的に不可能な『白』以外は顔料を用いず、染料のみでの色出し」を公言している数少ない靴クリームですので、この無闇に強調しない角の取れた色調は納得! 色ムラが起きそうな印象もなく、早急に色味を回復させたい方というよりは、お手入れを重ねて色をじっくり定着させて行きたい方に向いた商品といえるでしょう。

使われた経験が有る方ならご存知でしょうが、Violaのこのクリームは質感も非常に独特! 具体的に申し上げると、ビンの中に入っている時はツヤがありながらもかなり硬い雰囲気なのですが、実際に用いてみると硬い印象は全く受けないのです。クセなく伸びてくれますし、妙にカサカサしたりダマになるような感覚もありません。この使い心地は恐らく、他の乳化性靴クリームに比べ水分やそれと油分とを結合させる乳化剤を敢えて余り加えていない事に起因すると思うのですが、逆に保管に十分気を付けてさえいれば、水分が無闇に揮発してしまうリスクが低くなる分、購入時の質感を長期間保つことができますよ。

【これまでの乳化性靴クリームの「黒」をチェックするシリーズ】
1: モゥブレィの黒
2: M.Mowbrayの発展タイプ
3: Saphirの代表的な商品
4: Collonilの代表的な商品
5: Columbusの代表的な商品
【編集部おすすめの購入サイト】
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