歌舞伎/はじめての歌舞伎観劇

コクーン歌舞伎「三人吉三」に行こう!前編

コクーン歌舞伎に行ってみよう。2本の記事でお伝えします。前編は、コクーン歌舞伎って何?どこでやっているもの?普通の歌舞伎と何が違うの?今回上演される三人吉三とは?コクーン歌舞伎を観る前にしっかり予習をしておきましょう!

宗像 陽子

執筆者:宗像 陽子

歌舞伎ガイド


コクーン歌舞伎って知っていますか?意外と30代以下のほうがよく知っているのかもしれませんね。

コアな親世代の歌舞伎ファンは「歌舞伎は歌舞伎座でしょ」「コクーン歌舞伎?よく知らないわ」なんて思っている方もいるかもしれません。そんな思いをお持ちの方のために、「ガイド」といっしょにコクーン歌舞伎について予習をしてみましょう。

シアターコクーンは、1989年渋谷に誕生した大型複合文化施設Bunkamuraの中にあります。そのシアターコクーンで上演される歌舞伎がコクーン歌舞伎です。
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Bunkamura外観

コンパクトな空間で大胆な演出

シアターコクーンは、さまざまな舞台表現のための劇場です。特色としては舞台から1階最後列の客席までが24メートルという近さ!総客席数は、747席です。ちなみに、歌舞伎座の総客席数は1808席です。

客席の左右は三層のサイドバルコニー席になっているので、中規模劇場としてはとてもコンパクトな空間となっています。さらに舞台面や客席の一部が可動式となっており、自由な発想でのさまざまな舞台づくりが可能となっています。
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シアターコクーン舞台

さて、そのシアターコクーンで初めて歌舞伎が上演されたのは、1994年のことです。

十八世中村勘三郎(初演時は五代目中村勘九郎)、中村橋之助らが「東海道四谷怪談」を上演しました。その後は、1~2年に1度のペースで1カ月の公演を行っています。

今回、2014年6月6日(金)から28日(土)まで上演されるのは、2年ぶりのこと。上演される出し物は「三人吉三」です。シアターコクーンで「三人吉三」が上演されるのは、2001年、2007年に続いて3回目。

3回目ということは、それだけ今まで上演されたときの人気が高かったということ。今回の前評判も非常に高くなっています。

今回のコクーン歌舞伎のポスターを見てみると、着物姿の3人ではなく、3人のチンピラが洋服を着ているではありませんか。3人とはもちろん三人吉三を演じる3人の若者、中村勘九郎、中村七之助、尾上松也です。渋谷のガード下で撮られたものといいます。

これだけ見ても、「ただの歌舞伎じゃない」と期待感は募ります。作り手側の覚悟も感じられるポスターでした。

三人吉三とは

「三人吉三」とは、江戸時代に生まれた河竹黙阿弥作の名作。ひょんなことから知り合った同じ名前をもつ3人の盗賊のお話です。

3人の盗賊が百両と名刀「庚申丸」を巡って数奇な運命をたどります。

この歌舞伎を、2001年、2007年にシアターコクーンで上演したときには、和尚吉三を十八世中村勘三郎、お嬢吉三を中村福助、お坊吉三を中村橋之助が演じました。今回は、和尚吉三を中村勘九郎、お嬢吉三を中村七之助、お坊吉三を尾上松也が演じます。

コクーン歌舞伎では、通常の歌舞伎とどこが違うのでしょう。劇場が違うことに加え、同じ歌舞伎の芝居ではありながら、決定的に違うのは音楽と照明、そのほかの舞台演出。また歌舞伎役者以外の俳優も多く出演します。

今回の三人吉三では、三味線や鳴物などの下座音楽は一切使わないといいます。いったいどんな舞台なのでしょう。下座音楽を使わずして、歌舞伎と言えるのでしょうか!?

渋谷駅から徒歩7分

シアターコクーンは、JR渋谷駅からは7分ほどの距離です。お年寄りと一緒に行くならば、少々上り坂でもあり遠く感じるかもしれませんね。そんなときは東急本店行の無料シャトルバスを使いましょう。東急百貨店東横店・本店循環バスが9:50~20:15の間に12~15分間隔で運転しています。ただし、道路状況でとても時間がかかる場合があるので、かなり時間に余裕をもっていたほうがよさそうです。

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劇場内で買うサンドイッチがおいしい

さて、コクーン歌舞伎は、3時間15分ほど。中での飲食も可能です。

隣の東急百貨店でかわいらしい観劇弁当を調達するもよし。劇場内で芝居を観ながら軽食を取るもよし。時間があるなら、Bunkamura内にある、ドゥマゴパリ、松濤カフェといったお店で軽食が食べられので、少しのんびりするもよし。ロビーラウンジではチケット半券サービスで食事が10%オフになるそうです。Bunkamuraの館内には自販機はありませんので、飲み物は調達しておいたほうが無難です。

 


座席はどこがお得か

シアターコクーンの座席は
1等平場席 1万3000円
1等椅子席 1万3000円
2等席  9000円
3等席  5000円
立見席A(当日券のみ) 3500円
立見席B(当日券のみ)2500円
当日券は、劇場窓口にて各公演の1時間前より販売。

1等平場席は、座布団に座る席。役者さんがどんどん入ってくるし、雪の降りしきるラストシーンでは、自身の体にごっそり雪が積もります。ほぼ舞台と一体感を感じられ、値段の価値は十分ある席。

2等は、サイド2階など。首が若干痛くなりますが、劇場がコンパクトなので舞台全体が見渡せます。

今回の上演はすでにチケットは完売されているようですが、それでも当日売りの立ち見がある!立っていることが苦にならなければ、安い値段であの舞台を見られるのはお得!

それなりにどの席も「お得な席」のようですね。

では、行ってまいりましょう~。後半は観劇レポートです

Bunkamuraシアターコクーン  
・住所:渋谷区道玄坂2-24-1
・TEL:03-3477-9111
■コクーン歌舞伎公演情報はこちら

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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