公演はBATIKが初日、ワークショップ生が二日目・三日目に舞台に立ちます。プロのメンバーとワークショップ生が別日に舞台に立つというのも、
珍しい試みですね。
(C) TOKIKO FURUTA
ふたつめの理由は、非常に危険度の高い作品なので、初日にBATIKで毒味をして、“この照明のときはこういう風に危ないぞ”ということをワークショップ生に事前にお伝えすればより安全だということ。
もうひとつの理由は、彼女たちが彼女たちの『SHOKU』を立ち上げた方がいいだろうという考えから。メンバーと一緒に踊ると、どうしても先生についていく形になってしまって、自分たちでつくりあげるものにはならない。ひとに連れていってもらうのではなく、彼女たち自身で立ち上げるようにした方が、むしろ危険性も少ないと思ったんです。
(C) TOKIKO FURUTA
“再演をしたい”とずっと言っていて、でもなかなか叶わなかった。それがソロレパートリーをやって、“あれ、コレいいね!”となって、ワークショップ公演で『ラストパイ』をやって、“すごくいいね!”となった。再演をしたくてもできないという現実が、逆手に取れたなという気がしています。
ワークショップの模様 (C) TOKIKO FURUTA
BATIKのメンバーにはないもの、ワークショップ生だからこそ
見えてくるものとは?
黒田>彼女たち自身わざわざ受講料を払い、これだけの時間を割いてやると決めてる。だから、自分がどう評価されるかとか、他のことは関係ないんですよね。“コレを踊るんだ!”と思い、毎日稽古に通って、できるようになるかどうかもわからないものをやってみようと決めた。その強さは、やっぱり彼女たちにしかないものだと思います。もちろんBATIKのダンサーもその芯の部分は持ってるけれど、メンバーはメンバーなりの責任を背負っているし、どうしても立場が違う。もちろんワークショップ生にも責任はありますけど、ただ踊りたいから踊る、何も求めない、という強さがあると思います。
ワークショップの模様 (C) TOKIKO FURUTA