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黒田育世ワークショップ公演『SHOKU』インタビュー!(4ページ目)

BATIK率いる黒田育世さんが手がけるワークショップ公演『SHOKU』。一般公募の受講者に自身のレパートリーを振付け、成果発表を行うという意欲的な試みです。黒田作品は過酷なことでも知られ、ワークショップ生には大きな挑戦となるところ。ここでは、主宰の黒田さんにインタビュー!企画のきっかけとその想いをお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

バレエガイド


ワークショップの内容をお聞かせください。

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(C) TOKIKO FURUTA

黒田>土日は8時間、平日は5時間稽古をしています。ワークショップ期間は、本番を入れて全部で19日間。その内三日間は本番なので、実質稽古できるのは16日間。かなりキツイです。でも成果発表までがワークショップなので、そこはもうこちらがきちんと責任を持ってやるつもり。本番はオリジナルの照明と音響で、プロフェッショナルのテクニカルスタッフを入れ、衣裳もオリジナルで上演します。

ワークショップでは、まず身体のメンテナンスのために、バーレッスンを毎日行っています。振付に関しては、最初に私が全体像を説明して、その後どうしてこういうシーンをつくったか、そのときの気持ちだったり、何に問題を感じていたかといった、シーンのいわれをみなさんにお伝えしていきました。

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(C) TOKIKO FURUTA

そこから先はそれぞれのワークショップ生にBATIKのダンサーがひとりずつ付き、マンツーマンで教えていくという形を取っています。『SHOKU』を長年踊ってきたダンサーが、彼女だから出来上がったパート、役割といったものを、秘伝のタレとして渡すんです。だから、すごく密です。こんな濃いワークショップって、たぶん他にないと思います。

実際これは、とてもいいシステムだと思います。死ぬ気で踊ってきたダンサーたちから、そのひとにしかないメソッドが伝わってゆく。実際カンパニーの中では、踊り継ぐという作業はずっとやってきていました。『SHOKU』とか、『モニカ モニカ』もそう。リプレイスはしてきたけれど、それをメンバーではなく、こうした形でみなさんにお渡しする、抱え込むことなく作品の全てを伝授する。ひとつのワークショップの形であり、本気のワークショップの形です。やっててすごく楽しいし、とても意義を感じています。

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ワークショップの模様 (C) TOKIKO FURUTA



作中の役柄はどのように決めましたか?

黒田>直感です(笑)。みなさんの姿を拝見していて、“これは絶対イケる!”と感じた役をお渡ししました。それと“彼女がここでこういう風に立ってくれるとみんなが頑張れる”とか、グループの中のバランスも考えたところ。あと作業はマンツーマンで行うことになるので、BATIKのダンサーとの相性も踏まえて決めていきました。

ひと通り振付作業が終わったところで、一度BATIKのダンサーがワークショップ生の前でデモンストレーションを行いました。メンバーが本気で踊ることで、モチベーションを高め、イメージトレーニングをしてもらおうと思ったんですけど……。みなさん固まってましたね。お地蔵さんみたいになってました(笑)。

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ワークショップの模様 (C) TOKIKO FURUTA



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