システム化の視点を業務改善に活かそう
システムの改修や導入は、業務の中に非効率的な部分や改善すべき問題があるとき、課題を解決する手段の一つとして検討されるのが普通です。例えば、Excelで管理していた顧客情報が増えたため、顧客フォローやマーケティングに必要なデータを抽出・加工する作業が煩雑になり、経営戦略を実践するスピードが落ちている場合。
通常は課題を解決する手段の一つとしてシステム化を検討するが…
しかし、今回はあえてそれを逆の側面から、すなわち手段である「システム化」の視点から、業務改善を考えるアプローチについて考えてみたいと思います。逆転の発想で、思わぬ効果が得られるかもしれません。
まず、システム化すべき業務を探す
「時間」は営利企業において貴重なリソースですが、なかなか管理できていないのが実情ではないでしょうか。日々の業務に慣れてしまうと、費やす時間が増える一方の面倒な作業であっても、「これが当たり前」という感覚になりがちです。特に繰り返し行っているデータの入力や計算といった単純業務は、時間をかければできてしまうため、改善の必要性を実感しにくいもの。これをシステム化の視点で考えると、まず、どこにどれだけの時間が費やされているのかを計測・算出するステップからスタートします。システムの改修や導入は、現状の業務を明確に把握するところから始まるからです。
有効な業務フローが確定してはじめてシステム化が可能に
業務フローに問題を抱えたままシステム化しても、高速で問題が起きてくるだけです。単に業務フローを書き出すだけでなく、どこに潜在的な不満や課題があるのか、という視点を持つように心がけましょう。
ボトルネックになっている部分を明確化するために、実務に携わっている関係者へヒアリングすることも大切です。例えば、営業担当から依頼書が提出されないと、制作チームのほうで作業に着手できないといったケースでは、待ち時間という時間的なロスによって常に制作スケジュールが圧迫され、制作側が慢性的にストレスを感じてしまいがちです。
ここで、紙ベースだった営業担当からの依頼書を、Webから入力・依頼できるシステムを導入することによって、営業側の手間も軽減され、スケジュールにも余裕ができるという着地点が見えてくるかもしれません。このように、普段の業務の中でシステム化すべきポイントを探すという発想は、効率化や業務フロー改善のきっかけとなるのです。