企業のIT活用

逆転の発想、業務改善をシステムから考える(2ページ目)

システム化は、業務の非効率的な部分や、改善すべき課題があるときに検討されるのが普通です。しかし、今回はあえて逆の視点から、すなわち手段であるシステムの側から、業務改善について考えたいと思います。例えば、日常業務の中でシステム化すべきポイントを探ったり、新しいサービスや機器の活用方法を考えることで、実際にシステムを導入・改修しなくても、業務改善のヒントが見えてくるはずです。ぜひ、試してみてください。

長谷川 渉

執筆者:長谷川 渉

企業のIT活用ガイド

データの運用管理体制を見直す

共有データは、混乱なく運用するためにルールを定めて管理しよう

共有データは、混乱なく運用するためにルールを定めて管理しよう

どのような業務でも、さまざまな情報を管理します。それは、紙ベースの場合もあれば、パソコン上のデータファイルの場合もあるでしょう。特にデータファイルの場合は、社内の共有サーバなどにデータを保存し、必要な情報を必要なときに利用できるようにしておく利便性が求められます。

例えば、ファイルの格納ルール・ネーミングルールは、明確化され、共有されているでしょうか。データ管理用のサーバ容量は、十分に確保できているでしょうか。細かいですが、効率化にあたって非常に重要なことです。

他にも、業務日報やプロジェクト管理、スケジュール管理などでは、日々追加や更新作業が発生しますので、その入力手段が効率的かどうかも重要なポイントになります。また、業務管理システムを改修する場合は、「そもそも業務を管理する目的は何か、今のシステムでは、なぜその目的が達成できていないのか」を確認します。

例えば、せっかく顧客管理システムを導入しても、データを入力するだけで顧客分析などの業務に活かせていないと、システムの有効活用ができていないばかりかデータ入力自体も無駄な業務になりかねません。

情報を入力・整理する目的は何か、という基本的な視点からデータの運用管理体制を考えると、データ入力の項目を変更するなど、具体的な運用管理対策が見えてきます。

注目のサービス・技術の採用シミュレーション

IT関連の技術は、どんどん進化しています。クラウドサービスと呼ばれる分野では、すぐに社内IT環境を改善できるようなサービスの提供が増えていますし、タブレットやスマートフォンの技術革新も目覚ましいです。こうしたサービスやモバイル端末を業務に取り入れるとしたら、どういうシーンで、どのように使ったら効果的か、とシミュレーションすることが、システム視点のアプローチです。

便利そうだからIT化していく、という単純な考え方はNGですが、新しいサービスや機器を業務改善・効率化に活かせないかと考えることは業務を俯瞰するうえでも役立ちます。実際にシステムを導入・改修しなくても、システム化の視点を持つことで、業務を改善するヒントが見つけやすくなります。ぜひ、試してみてください。

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