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消費増税だけではない!? インフレの家計への影響は?(2ページ目)

2014年4月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、前年同月比で3.2%上昇。安定的なインフレは、市場に資金がまわり景気回復にもつながり、その結果、企業・家計にもお金が回り、家計は潤います。けれども、何も対策を取らないでいると、家計にトリプルダメージを与える恐れがあります。今回は、インフレの家計への影響を考えてみました。

平野 泰嗣

執筆者:平野 泰嗣

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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資産は、プラスにもマイナスにもなる?

●預貯金は、マイナス
預貯金は、インフレで目減りする!?

預貯金は、インフレで目減りする!?

家計における金融資産の大部分が、預貯金で占められています。(参考コラム:「普通預金に入れっぱなしはOK?資産運用のススメ」)預金につく金利がインフレ率よりも下回っている場合、その預金は、実質的に価値が目減りしていることになります。200万円の定期預金は、金利0.1%の場合、10年後は202万円(税金は考慮しない)ですが、200万円(本体価格)の自動車は、インフレ率2%の場合、10年後は244万円になり、今なら預金を下ろして購入できますが、10年後は、購入資金が不足します。

●実物資産は、プラマイ・ゼロ!?
預貯金ではなく、実物資産(土地・建物・家具・家電などの形で保有する資産)の場合は、どうでしょうか? よく実物資産は、インフレに強いと言われていますが、インフレによって実物資産の価値も物価上昇率分だけ上昇するということで、物価上昇という側面だけで捉えれば、プラスマイナス・ゼロといえるでしょう。ただし、家具や家電などの動産は、使用年数が経過するとともに価値は下がります。使用年数によって価値が減らない絵画や骨董品の場合、物価上昇以上に、そのもの自体の評価によって価値が変わります。不動産の場合もインフレによって相対的に価格は上昇しますが、需給バランスによって価格は大きく変動しますので、その不動産自体の将来の利用価値なども視野に入れなければなりません。

●負債は、プラスに影響?
よく、インフレになると借金が目減りするといわれています。住宅ローン1000万円(負債)は、インフレによっても額面1000万円であることに変わりません。インフレによって収入(額面)が増えて、住宅ローンの返済(固定金利が前提)が変わらないとすると、返済負担は相対的に軽減されるということです。問題は、賃金アップ率(特にベースアップ部分)がインフレ率より下回る場合、家計支出はインフレ分だけ負担が増加するので、住宅ローンの返済にまわせるお金が減る可能性もあるのです。安易に、インフレで借金は目減りするからローンを組んだ方が良いとは言えないでしょう。また、インフレ下では、金利は一般的に上昇する傾向があるので、変動金利の低金利でローンを組んで、ギリギリの家計のやりくりをしながら住宅を購入しようと考えている人は要注意です。


インフレは、家計にトリプルダメージ!?

家計改善のための対策として、「収入を上げる」、「支出を減らす」、「運用利回りを上げる」という3つの方向で検討されます。(参考コラム:「人生の収支を黒字化する「人生家計簿」」)これらに全く手をつけないで、インフレの影響を仮定すると、「収入は目減りする(インフレほど賃金ベアは上がらない)」、「支出は増加する(インフレによる支出額増加)」、「資産の利回りは低下(預貯金中心の運用を前提にするとマイナス)」ということになり、インフレは、家計改善のための対策とは全く逆の方向に働き、家計はトリプルダメージを受けることになります。大きな目で見れば、デフレが続くよりもインフレの方が市場に資金がまわり景気回復にもつながり、その結果、企業・家計にもお金が回り、家計は潤います。けれども、何も対策を取らないでいると、家計に悪影響を及ぼす作用もある、ということを留意しながら家計管理を行う必要があるでしょう。

【関連コラム】
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