ただ、必ずしもこのセリフを言われたからといって、悪い不動産会社だと決めつけることはありません。問い合わせた物件がすでに決まってしまったものかどうか、その真偽を確認することはもちろん重要です。
けれど、不動産会社に電話をする目的は、なんといっても自分の希望する物件を見つけることなのですから、スムーズに希望の部屋を探してもらえるための電話応対のコツをまとめてみました。
不動産会社に電話をかける前に準備すること
あなたが初めての不動産会社に電話をするときはどんなときですか?- インターネットや情報誌で気に入った物件を見つけた
- 賃貸物件に掲げてあった、不動産会社の看板広告が目に入った
- 友人・知人に、いい不動産会社を紹介してもらった
多分、1. のようなケースがもっとも多いと思います。1. や2. のように、具体的に問い合わせたい物件がハッキリしている場合には、どの物件について問い合わせをしたいのか、はっきりと分かる資料を手元に用意しましょう。
問い合わせる物件がまだ空室かどうか、内見を希望するかどうか、また確認したいことがあればその旨を書いたメモを用意しておけばOK。もちろんこのとき、「申し訳ありません、その物件はすでに決まってしまいました」といわれる可能性もあります。
できればその場合の備えもしておけば完璧です。もし、同じ不動産会社で他の物件を探してもらいたいなら、自分の希望する条件を伝え、見つかった時点で連絡を入れてもらうように依頼しておくといいでしょう。
その時、他の物件を探すのが面倒くさそうだったり、できないといわれたりするようなら、そういう不動産会社には依頼しないほうがいいかもしれません。逆に、調子のいいことばかりを言う不動産会社も要注意。
3. のように、友人や知人に紹介してもらった場合は、不動産会社の担当営業マンの名前まで教えてもらっておき、その人宛に電話をしましょう。同じ不動産会社でも、担当営業マンによって対応の差があります。
「○○さんに紹介してもらったのですが、・・・」と伝えれば、たとえ紹介者のことを忘れてしまっていても、自分に好印象を抱いていることが分かれば担当者も悪い気はしないはず。親身になって応対してもらえれば、部屋探しもスムーズです。
不動産会社に物件を問い合わせるチャート例
A.問い合わせた物件があった場合(客)「○○マンションについて、ちょっとお伺いしたいのですが」
(不動産会社)「まだありますよ」
↓
(客)「じゃあ、○月×日に内見したいのですが、できますか?」
(不動産会社)「できますよ。では、お待ちしておりますので、○時に来店してくださいね」
■ワンポイントアドバイス
問い合わせから内見までに間がありすぎると、本当に決まってしまうことも。内見を希望するなら、問い合わせ後すぐのほうが望ましい。間があくときは、来店前に再度空き確認を。
B.問い合わせ物件がもう決まってしまった場合
(客)「○○マンションってまだありますか?」
(不動産会社)「残念ながらもう決まっちゃいました」
↓
(客)「同じエリアで同じような条件の物件を探していますが、ありますか?
(不動産会社)「どんな物件をお探しですか?ご希望に合う物件があったら、ご連絡しましょうか?」
↓
(客)「お願いします。希望条件は××で、連絡先は○○○です」
(不動産会社)「了解しました。では、2~3日のうちに一度ご連絡しますね」
■ワンポイントアドバイス
この後、連絡をまめにしてくれる不動産会社(または担当者)かどうかをチェック。その頻度でも相手の誠実さがわかります。また、条件に合う物件があるからとにかく来店してくれ、と強引に進められるようなら要注意。
もともと広告していた物件が本当に入居者が募集できるものでなかったけれど、来店を促す営業スタイルの不動産会社が未だにあることも。
また、物件を探してくれるといっても何日も何の連絡もないような対応も注意が必要です。
相手の見極めは第一声をよく聞いて
電話をかけたとき、相手の出方が気持ちいいとうれしくなりませんか?ハキハキとさわやかに「はい、○○不動産会社の××です」と答える第一声に気を配ってみましょう。社員教育も行き届いている不動産会社なら、電話応対もバッチリなはず。電話応対をいい加減にして、「とりあえず、来店してくださいよ、いっぱい物件紹介しますから」などという担当者だと要注意。顔を見なくても、声でも担当者の印象をキャッチすることは可能です。
電話口でも正直に物件のデメリットを話してくれるか?
良い営業マンというのは、物件のメリットだけを伝えるのではなく、デメリットもしっかり伝えてくれます。「家賃が安い分、防音性が低い」とか、「西向きなので、朝日はあたらない」といったマイナス情報を、どれだけ伝えてくれるかも、営業の姿勢をはかるバロメーターです。欠点のない人がいないように、物件にもなにかしら欠点はあるもの。その欠点を正直に伝えて、「○○ですが、大丈夫ですか?」と言ってアドバイスしてくれる営業マンは、信頼していいでしょう。
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