そのためにはまずはビジョンを明確に
ビジョンが明確かどうかがポイントとなるでしょう
つまり、会社から与えられた仕事をこなしていくだけでなく、中長期的な自己イメージを明確化した上での能力開発を行う必要があるのです。事実、これまでもエグゼクティブとして活躍されている方々は短期の会社目標と中長期の自己目標の両方を追いかけている人が多いものです。
アスリートでもビジネスでも、その分野で卓越した能力が問われるという意味では同じものです。メジャーリーグのイチロー選手やセリエAの本田選手の小学校時代の作文では、すでに世界を意識した内容になっています。実際ぶれずに諦めずにやり続けたことによって、ワールドクラスのプレイヤーになれたのです。世界を意識した志を持っていた名経営者である松下幸之助さんも本田宗一郎さんも然りです。
試行錯誤は若い時期に
“石の上にも3年”ということわざがありますが、大きな仕事をするには3年程度の期間は必要です。しかしながら、仕事内容や上司や同僚を客観的に見て、どうしても適合しない、納得できない場合は早めに転職を決断することでもよいでしょう。アメリカなどの先進国では若い頃は色々な企業を経験して、30代以降で同じ会社に定着する形が一般的です。グローバル基準でキャリア構築を考えれば、これからはますます仕事内容が重要になっていきます。今までは新卒が会社を選択する場合、仕事内容と企業風土の割合が6:4程度でしたが、今後は8:2程度の割合で考えるべきでしょう。どんな分野で仕事をするにしても、卓越した専門性と実績が求められ、人柄や人間性はより副次的なものになります。
卓越した専門性と実績さえあれば、一つの会社で専任契約してもいいですし、数社と関わる業務委託契約でもいいですし、働き方に自由度が生まれてきます。かつての2:6:2は崩壊し、「一部のエキスパート」と「それ以外の大勢の人々」に二極分化し、能力の格差はより大きく開いていくことでしょう。