現行型と見た目の違いがわかりにくい旧型
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はポルシェ911(旧型)をご紹介したいと思います。ダンパー特性をノーマルとスポーツに切り替えられるPASM(ポルシェアクティブサスペンションマネージメント)がカレラにはオプションで、カレラSには標準で装備されます。可変減衰力ダンパーはポルシェ初
型式も車名も900台でややこしいですけど、ポルシェ好きには旧型というより997と言ったほうが通りはよく、また自分でも覚えてみると「キュウキュウキュウ型」なんていうよりは「993」のほうが言いやすいし、外観など特徴もスッと出てきやすい。
というわけで、以降は型式でお付き合いください。
で、この997。その前の996の8割方を一新して作られたモデルです。こう言うと、なんだがビッグマイナーチェンジのように聞こえますが、そもそもポルシェ911の全面刷新は、ざっくりいうと2回しかありません。
まず1回目が空冷から水冷エンジンへと変わったことでエポックメイクとなった996。そして2回目はシャシーを一新した991(つまり現行型)の誕生時です。
カレラには先代996の3.6Lの改良版、カレラSには新開発の3.8Lが搭載されます。カレラSの0-100km/hは4.8秒、最高速度は290km/h。どちらにもオプションで、ボタン一つで車両特性をさらにスポーティにしてくれるスポーツクロノパッケージプラスが用意されました
しかし1997年にデビューした996はボディやシャシーを完全に一新。またエンジンは先述の通り、空冷から水冷へと生まれ変わりました。
そして、今回取り上げる997から現行型である991へと移行する際、パワートレインこそ997の後期型の改良版であるものの、ボディやシャシーを再び一新したのです。
そう考えると初のフルモデルチェンジとなる996が、相変わらず100万円台から見つかるというのは、非常においしい状況ですが、中には「あの涙目がどうも……」という方もいらっしゃったのではないでしょうか。
そこで最近お買い得になってきた997が狙い目なのです。何しろ外観は、ポルシェに詳しくない人なら現行型との違いがさっぱりわからないくらい、最新のポルシェらしさが押し進められたモデル。
それが原稿執筆時点では、修復歴ありなら300万円台から、ポルシェディーラーでも490万円で2004年式/6.8万km/修復歴なしのカレラが販売されています(ただし認定中古車ではありません)。
カレラ(ティプトロニックS)の新車時価格は1109万円ですから、十二分に半額以下。「一度はポルシェに乗ってみたい」という人には、この最新ポルシェ911とほぼ同じ(詳しくない人にとっては)旧型、997はかなり狙い目ではないでしょうか。
次ページ以降で997の魅力を、さらに見ていきましょう。