絵本/絵本関連情報

ゆるさ病みつき!癒し系タコの空想絵本『ぷかぷか』

『ぷかぷか』はタコが空を飛ぶ方法を考えるお話です。タコといっても凧ではなく海に住むタコ(蛸)が主人公なので、その飛び方は読者の想像を超えるゆるくて愉快な飛び方ばかり。能天気なタコの癒しの表情にもご注目ください。

執筆者:大橋 悦子

あなたもタコと一緒に『ぷかぷか』してみない?

タコはタコでも、空を飛ぶ凧ではありません。8本足でスミをはく海のタコ(蛸)が、大海原にぷかぷか浮かびながら「空を飛んでみたいなあ」と思いました。空も海も真っ青なよく晴れた日のことです。のんびり、ゆったり、ゆるーく始まるタコの空想が、読者に極上の癒しを与えてくれます。みなさんもタコと一緒に空想の海をぷかぷか漂ってみませんか?

空の飛び方を考えたタコのお話

『ぷかぷか』の表紙画像

ゆったり、のんびり、南国リゾートにいるような気分を味わえる絵本です

なんと気持ちの良い海でしょう。上空は晴れ渡り青い空がどこまでも続いています。海も穏やかで空に負けじと青く輝いています。その海にぷかぷか浮かびながら、この気持ち良い状況を満喫しているタコがいます。そのタコは波間を漂いながらふと考えました。もし空を飛ぶことができたらどうやって飛ぼうかな……と。

わかりますねえ、タコのこの気持ち。人間だって心身ともにリラックスしてα波が出ている時は、何かを考えるともなしに空想にふけってしまうことがありますもの。タコがどれほどリラックスしているかは、表紙を見れば一目瞭然です。そのとろけそうな顔つきを見るだけでも癒されます。

でもタコが空想を始めると同時に、お話は「癒し」から「ユーモア」へとちょっぴり方向が変わります。というのも、タコはおかしな飛び方ばかり考え出すのですから。例えばヘリコプターを見かけたタコは、頭を下にして逆立ち状態になりプロペラのように8本の足を高速回転させようと真剣になります。次には、息を思いきり吸い込んで気球の真似をして飛ぼうと考えました。

青い海と青い空が溶け合う場所のイメージ画像

海と空が混ざってしまう場所で、タコの想像がふくらんでいきます

タコは、私たちには到底思いつかないユニークな方法を次々に考え出しては、読者を笑わせてくれます。タコの想像が加速するにつれて「癒し」から「ユーモア」へ絵本の空気が少しずつ変化していくさまに、他の本では味わえない面白さがあります。

最後の空想では、癒し系のタコが再び戻ってきます。そのタコを突然襲うアクシデント! でもどうぞご心配なく。このアクシデントを除けば、お話は最後までのんびり、ゆったり、ゆる~い味わいが消えることなくハッピーエンドを迎えますから。みなさんもタコと一緒にこの空想の海を泳いでみると、期待以上の癒しと笑いが得られて、この作品のゆる~い世界観が病みつきになるかもしれません。


【書籍DATA】
石井聖岳:作
価格:1512円
出版社:ゴブリン書房
推奨年齢:4歳くらいから
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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