オーバー2000万円の欧州勢に並び立った
ベーシックなクーぺ(929万円)とコンバーチブル(989万円)に加え、よりスポーティなZ51(クーぺ 1099万円、コンバーチブル 1159万円)をラインナップ。6ATに加え、クーぺには7MT(918.2万円、Z51 1088.2万円)も用意された
インテリアの雰囲気にひとしきり感心はしてくれたものの、大磯ロングビーチのパーキングを出て、西湘バイパスをクルージングするあたりまでは、彼が特に感想というほどの感想をクチにすることはなかった。せいぜい、「お、なかなか速いね」。しかもシビアに、「まぁ、速いっつっても、古いやつ(C6)のZ06くらいじゃねぇの? 」
ところが。箱根ターンパイクに入って、ボクがにわかにC7を追い込みはじめると、彼の表情が激変した。そして、ついに彼の口からこぼれたのは……。「うわーっ、コレもうコルベットじゃねぇよ~」。
長年のコルベットファンにとって、このフレーズが根本的に吉なのか凶なのか、その判断はここではひかえたい。コルベットらしさとは何か、という検討に値する深いテーマを背景とするからだ。それよりもむしろ、コルベットのことを“アメ車のゆるいスポーツカー”程度にしか思っていない大多数のクルマ好きに、こう伝えたい。
コルベットは、オーバー2000万円のヨーロッパ勢に並び立った、と。
つまり。新型コルベットC7は、デザイン、フィニッシュ、そしてパフォーマンスにおいて、世界の頂上スポーツカーと伍するクルマに仕上がっていたのだ。