左がサント・コスタ、右がジェナ・グレンジャー。
日本の観客は世界一ノリがいい
——2年ぶりの来日ですね。前回の日本公演の印象は?サント&ジェナ 芸術監督&振付のジェイソン・ギルキソンから「日本でやる時はルールはない。お客さんの反応がすごいから、それに合わせて好きなようにやっていいよ」と言われていて。幕が開く前スタンバイしていたら、お客さんのキャーッ!という歓声が聞こえてきて感動したなあ。やりたい放題できて、とても楽しかったです。日本の観客のノリの良さは、間違いなく世界一だね!
ジェナ 幕が開く前からお客さんが名前を叫んでくれて、まるでロックスターになった気分だったわ(笑)。
サント 日本のお客さんは何事にも集中力が半端無いね。自分が楽しもうと思ったら、心を解き放って思い切って楽しめる。情熱を強く表現する人たちだと思うな。
——特に『バーン・ザ・フロア』カンパニーは今回で8回目の来日だからリピーターも多いでしょう。盛り上がることを知っているのでは?
サント ただし、これまではこんな内容だろうとリピーターなら予想がついたかもしれない。でも、今回は予測がつかない、何が起こるかわからない、これまでと全く違うショーを用意しているよ。ジェイソンもメンバーも一生懸命に知恵を絞って、日本のお客さんに驚いていただける、特別で新しいショーになっています。まさにリ・クリエイト!
ジェナ あらゆるスタイルのダンスが詰まっているのよ。
——サントはオーストラリア出身でラテンのチャンピオン。なぜラテンのダンサーを志したの?
サント 若い頃、映画『ダンシング・ヒーロー(原題:Strictly Ballroom)』を見て、そこで踊っているラテン・ダンサーに猛烈に惹かれて、自分もあんなふうになりたいと思ったんだ。ラテンを追求しつつ、ラテンの世界に革命を起こすようなダンサーになりたいと。それでラテン・ダンサーになり、2009年から『バーン・ザ・フロア』に参加。この作品の中で、ダンスの新たな方向性を自分なりに見つけていきたいと思ってるんだ。
——参加して、何か変わった?
サント 僕の人生すべてが変わったよ。見るものもダンスも、ジェナのような素敵な女の子に会えたことも!(2人で顔を見合わせてニッコリ)
このポジションの美しさ。(C)Tomohiro Akutsu
ジェナ 3歳でバレエを始めたの。両親はサッカーや野球をやらせたかったみたいだけど、私はダンスをやりたいという思いが強くて、ずっと続けてきたわ。18歳までにバレエ、ジャズ、ヒップホップ、タップとボールルームダンスとラテン以外をオールラウンドに学びました。叔父がブロードウェイの作品に出ていたので、ミュージカルやショービジネスに興味を持つようになって。一旦、カレッジに入ってファッションデザインとマーケティングを勉強したけど、ダンスをやりたくてこの世界に入ったの。