上川一哉undefined島根県生まれ。12歳でジャズダンスを始め、05年に劇団四季研究所に入所。undefined『人間になりたがった猫』アンサンブルでデビューし、後に同作のライオネル役で大役デビュー。その後『春のめざめ』メルヒオール、『キャッツ』マンゴジェリー、『ユタと不思議な仲間たち』ユタ、『リトルマーメイド』エリック等で活躍。(C)Marino Matsushima

上川一哉 島根県生まれ。12歳でジャズダンスを始め、05年に劇団四季研究所に入所。 『人間になりたがった猫』アンサンブルでデビューし、後に同作のライオネル役で大役デビュー。その後『春のめざめ』メルヒオール、『キャッツ』マンゴジェリー、『ユタと不思議な仲間たち』ユタ、『リトルマーメイド』エリック等で活躍。(C)Marino Matsushima

中世イタリアの物語であるシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を、1950年代のNYの物語へと大胆にアレンジし、バーンスタインの圧倒的な音楽、ロビンスの革新的振付で彩ったミュージカルの金字塔、『ウェストサイド物語』。74年以来、劇団四季は繰り返し本作を上演していますが、今回は世界に3名しかいない本作の振付師の一人、ジョーイ・マクニーリーによる“新演出”により、時代性をやや抽象化。より普遍的な物語として、キャラクター一人一人の内面と関係性をより鮮やかに表現した舞台となっています。

この舞台に最近、リフ役の一人として加わったのが上川一哉さん。これまで『春のめざめ』の悩める高校生から『リトルマーメイド』の王子エリックまで、ひたむきな青年役がぴたりとはまる好演を見せてきた方だけに、不良グループのリーダーであるリフ役での出演には、驚きの声も上がったようです。ご本人の中では、どんな思いがあったのでしょうか?

仲間思いの“いい奴”なリーダー、リフ役に挑む

――これまで、どちらかというと甘いお役を演じることが多かったので今回、ハードな不良少年を演じられると知り、「トニーではなく、リフ?」とびっくりしました。

「そうだったんですか。実は僕の中では、以前からリフ役に憧れていました。あまり自分にはない部分がたくさんある役で、ジェット団をひっぱっていくリーダー的な存在だったり、常に仲間を思って、冷静で知的で頭が切れるという点で、かっこいいなあと思っていたんです。でも、やってみると難しいですね。リーダーって、なろうと思ってなれるものではなくて、その人の背中を見て(仲間が)自然についていこうと思うものなので、まだリーダーとしての“居方”は課題です」
『ウェストサイド物語』撮影:下坂敦俊

『ウェストサイド物語』撮影:下坂敦俊

――キャスティング発表が開幕後になったのは、『コーラスライン』の全国公演で合流が後になったからということでしょうか?

「はい、オーディションには合格していたのですが、『コーラスライン』に出演していたため、こちらの稽古には2月からの参加となりました」

――リフはトニーと一緒にジェット団を立ち上げたわけですが、そのトニーが抜けてしまったがためにリーダー役をやっている、という状況なのでしょうか?

「僕の中では、トニーは(ジェット団を)抜けたと思っていないんですね。彼の気持ちが少しずつ離れて行ってるのは感じているけど、トニーと二人で作ったチームなので、彼が抜けたとは思いたくない。でもひっぱっていかなきゃという気持ちでリーダーをやっているんだと思います」

――上川さんが目指すリフは、どんな少年でしょうか。

「ジェット団は傷を持った人間の集まりなので、仲間は家族のように大切。この居場所がすごく好きだからこそ、仲間を第一に考えているリーダーであって、そこは常に真ん中に持ってなくちゃいけないんだろうなと思ってます。“いい奴”? そうですよね、いい奴なんですよね」

――では、トニーとの関係性は?

「リフは家族に捨てられたのをトニーに拾ってもらって、一緒に暮らしているんです。どんな時にも何をするにも一緒で、ほとんど兄弟。喧嘩もするし、なんでも言い合える、一緒に居なくちゃ逆に変という関係ですが、トニーは頼れる兄貴分。リフはトニーにすごく頼っている部分があるんです」

*『ウェストサイド物語』トーク、次頁にまだまだ続きます。決闘シーンで、リフとベルナルドが同時にナイフを出すという行為が意図するものは?