ドライブのBGMにぴったり!行楽シーズンのおすすめジャズ
五月の連休というと、盆暮れを除いて、一年を通じても大型連休のシーズン。温暖な丁度良い気候で、海に山に、家族サービスや恋人同士、友達同士などで出かけたくなるのがこの時期でもあります。ジャズの世界でも行楽シーズン向きの楽しい作品が結構多くあります。その中からのおすすめ3選。まずは、オルガン奏者のジャック・マクダフのアルバムから、ジャケットが強烈なこちらのアルバムをご紹介します。
オルガン奏者 ジャック・マクダフ「ホット・バーベキュー」より「ホット・バーベキュー」
ホット・バーベキュー
五月の行楽と言えば、代表的なものがバーベキュー。暖かい日差しと、さわやかな風の中、お肉や野菜を焼いてみんなでワイルドに頂くのがバーベキューの醍醐味。このジャケットでは欲張りすぎなジャックの表情が大変可笑しく、この写真を見ながら聴く表題曲の「ホット・バーベキュー」は最高です。
お肉の厚さと熱さが、まったりした曲のイメージとぴったりです。テナーサックスのレッド・ホロウェイの太い音と、若き日のスター、ギター奏者ジョージ・ベンソンの二人で奏でるテーマも雰囲気バッチリ。
ドラムのジョー・デューカス、そして、ジャックのオルガンによって奏でられるベースが醸し出すノリは、思わず体が動き出してしまいそうなほどです。そして極めつけは、メンバー全員による、ノリノリの「ホット・バーベキュー!」という掛け声!
楽しくハッピーな演奏です。
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テナーサックス奏者 宮沢昭「山女魚」(やまめ)より「山女魚」
山女魚
川の流れと風流な大岩。自然が素晴らしく捉えられたポートレイトです。写真の、帽子を目深にかぶり真剣に竿を伸ばしている釣り人は、少年のように見えますが、実は宮沢本人ということです。宮沢の釣り好きがピュアに伝わる、素晴らしい雰囲気のあるジャケットです。
肝心の演奏はやはり一曲目「山女魚」(やまめ)がおススメです。宮沢のテナーは、モダンジャズのエッセンスや、ジョン・コルトレーン、ソニー・ロリンズ、ウェイン・ショーターなどの影響を感じさせます。本場のテイストが程よくブレンドし、なおかつどこか日本らしさを感じさせるオリジナリティにあふれたもの。
このアルバムは、全体的に録音のサックスの音が固めで、リバーブ(残響、カラオケのエコーのように聴こえるもの)が深く、今の耳では気になるものの、その点を除けば、演奏自体は大変素晴らしいものです。
宮沢はこの後、「いわな」というアルバムも出しています。そちらでは、水の中で生き生きと泳ぐいわなの姿がジャケットになっています。そちらも、サックスだけでなく釣り好きの趣味を持っている粋人、宮沢昭の代表作の一つです。
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ピアノ奏者 ハンプトン・ホーズ「フォー」より「ヤードバード組曲」
Four
演奏は、全曲スウィンギーな好演です。五曲目のハンプトンの代名詞にもなっている得意のブルースプレイは、ビバップのフレーズを、コロコロと跳ねるように、転がるように積み重ねていくスタイル。いつもながら素晴らしいのですが、ここは一曲目の「ヤードバード組曲」を聴いてみましょう。
「ヤードバード組曲」は、アルトの巨人チャーリー・パーカーの作曲で、ヤードバードとはチャーリー自身のあだ名のことです。ここではギターのバーニー・ケッセルとハンプトンのピアノが掛け合いでテーマを奏しています。ジャケットでのゴルフを楽しむ彼らを想像して、こちらまで楽しくなってくる演奏と言えます。
リーダーのハンプトン・ホーズはもちろん、ドラムのシェリー・マン、ベースのレッド・ミッチェル、そしてゲストのギター、バーニー・ケッセルは、それぞれの楽器の世界では名手で通っている実力者ばかり。期待通りにグルーヴ感あふれる名演が続きます。
でもその素晴らしい演奏ほどには、写真で見る彼らのゴルフは、上手では無さそうなのが微笑ましい感じです。
さあ、今回の大型連休に向けた行楽シーズンのジャズはいかがでしたか? 大好きな音楽を聴きながら、海に山に出かけてみてくださいね。
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