男の靴・スニーカー/シューケア・手入れ

黒の靴クリームの「色」を 深く考えてみる Columbus

暫くぶりですが、黒の乳化性靴クリームの「色」について、製品ごとに特徴を解説するシリーズの続きをやります。今回は日本のメーカー・Columbusの代表銘柄・Boot Blackの靴クリームを2つ採り上げます。両者は似た名前なので混同されがちですが、その発色も使い心地も、結構異なります!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

8. Columbus Boot Black Silver Lineの黒

Boot Black Silver Line Black

Columbus Boot Black Silver Lineの黒はしっかりと主張のある黒。M.Mowbrayシュークリームの黒に比べ、青味が少ないです。このクッキリした色合いは、日本では靴クリーム以外でも見る場面が多いのではないかな?

ここのところちょっとお休みしていましたが、皆さんが当たり前に使っている色付きの乳化性靴クリームの「黒」をチェックするシリーズを、久々に進めましょう。最初に採り上げた大定番・M.Mowbrayの黒(以下、「モゥブレィの黒」と記します)を一応の目安に、色味や伸びそれに浸透性などをチェックしていきます。

おさらいになりますが、表現に公正を期したいので、実際の色合いは革ではなく白い紙、しかも色感の微妙な違いがダイレクトに表れ、塗った周囲や裏面ににじみにくいことで多くの画家さんから長年評価を得る中性紙「マルマンの厚口画用紙」を、また色を塗る際は綿棒を圧力を強く掛けずに用いて比較します。

イギリスのレシピを起源に持つがゆえか、いずれも青味を感じたM.Mowbrayの発展タイプの商品、どれも赤味・黄味が前に出たフランス製のSaphirの商品の数々、色味というより瑞々しい使用感が特徴だったドイツのCollonilの各商品と、これまで輸入品の靴クリームばかり見てきましたので、そろそろ日本製も採り上げないといけませんよね。

ということでまずはコロンブスの銀色地に黒文字のラベルを持つBoot Black Silver Lineから。価格・容量を考えると、同社のロングセラーで現在でも主力商品であるレザリアンゴールドの発展形としての位置付けなのか、色合いや使い心地も双方でほぼ共通です。浸透性は僅かに増しているかな? ただし薬品臭さに関してはBoot Black Silver Lineの方が圧倒的に抑えられているので、その点では使いやすさは確実に向上しています。

「モゥブレィの黒」と比較すると、紙に塗る際の抵抗感や光沢に関してはほぼ同じで、使い心地に特段のクセは感じません。ただ色合いについてはそれに比べクッキリ鮮やかな印象で(顔料がより多く入っているのかな?)、しかも青味の少ないものになっています。Saphir系のものよりは赤味や黄味は少ないものの、Collonil系のものよりは明らかに「黒」だと主張してくれる…… なんというのか、日本人の典型的な黒髪に近い気がします。国内のタンナーで鞣された黒の革をアッパーに用いた紳士靴との相性が良さそうな発色ですね。
Columbus Leatherian Gold Black

ご参考までに、Columbusのロングセラーかつ今日でも同社の主力製品であるレザリアンゴールドの黒です。色合いは上の写真のBoot Black Silver Lineとほぼ同じですが、それに比べ匂いがやや薬品臭いかな?

で、「もともとのやつ」はどうなの? 知りたい方は次のページへ!
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