※当記事は2014年に大幅な試験問題の改編が行われる前に執筆したものなので、現行試験と内容が合わない部分も出てきますが、作文の分かりやすい書き方の参考にはなると思います。なお、新方式の試験に関しては、記事「新・韓国語能力試験(TOPIK)の攻略法」をご覧ください。

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これまでの出題形式での試験は今回が最後、とアナウンスされている「第34回 韓国語能力試験(TOPIK)」が、近づいてきました。次回以降、どんな形式になるかについては、2013年12月に公開されています(「韓国語能力試験 改編体系Q&A」(韓国語PDF))が、改めて当「All About 韓国語」サイトでも取り上げたいと思っています。

これまで「韓国語能力試験(TOPIK)、解き方のコツ」等の記事をお届けしてきましたが、今回は受験者の皆さんが最も身構える課目と言っても過言でない「作文」にフォーカスを当ててみます。皆さんが意外と見過ごしがちで、且つ私の思う最も大切なポイントについてお話しいたしましょう。

これをやってはいけない!その1~「東問西答(トンムンソダプ)」

これまでの能力試験は、「初級」「中級」「高級」と別れています。当方の運営する「アイケーブリッジ外語学院」で、私は主に「中級」の直前対策講座(全4回)を担当していますが、最近終了した直前講座で、良い事例に遭遇したのでご紹介させていただきます(個人が特定できないように、例に出す作文の内容は少し変えています)。ここでは「中級」の出題内容について例を挙げますが、その核心的なポイントは、「初級」や「高級」にも当てはまると思います。

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尊敬している人?それは○○さん、とシンプルに

早速ですが、「作文」というと、ハングルの綴りや文法が正しいか、語尾をスムニダ体にするか、~ダ体にするか、といった部分に神経が行きがちです。

もちろんこれらも大切ですが、私はさらに重要なことがあると思っています。それは、「聞かれたことに、シンプルに答えているか」ということ。

「そんなの当然やっているよ!」とほとんどの人が思うと思いますが、実は私がこれまで多くの作文に出会って痛感しているのは、この「聞かれたことに答えていない」事例がとても多いということ。そう、自分でも気づかないうちに、「동문서답(トンムンソダプ/[東問西答]聞かれたことに対しトンチンカンな答えをする)」をしているケースがとても多いのです。また、あまりにも正直に書きすぎるため、論の展開がスムーズにいかないケースもあります。

あまりピンとこないかもしれませんので、事例を見てみましょう(問題はすべて韓国語で出題されますが、ここでは日本語に訳しています)。

★問い: 皆さんは尊敬する人がいますか?‘私が尊敬する人’という題目で文章を書いてください。ただ、以下に提示した内容がすべて含まれていなければいけません。

1)尊敬する人は誰ですか?(※お父さん、お母さん、おじいさん、おばあさんなど、家族は書かないでください)

2)なぜその人を尊敬しますか?尊敬する理由2つを書いてください。


これに対し、以下のような作文を書かれた方がいらっしゃいました。

「私は早く起きられる人を尊敬します。なぜなら、私は早く起きられず、仕事をしているので、勉強する時間がなかなか確保できません。もう一つの理由は、朝ご飯をきちんと食べられません。だから早起きの人を尊敬します。」

いかがでしょうか。一見、誰を尊敬して、その理由が二つ書かれているようにみえますが、やや問題があります。

一つ目は、韓国語では「누구입니까?(ヌグイムニカ/誰ですか?)」と聞かれている。実はここでは具体的な人物を挙げる必要があります

二つ目ですが、尊敬する理由が、その人を尊敬する理由というよりは、自分に対する課題やできないことが書かれているという印象です。

実は、「韓国語能力試験 書き取り主観式 作成方法(韓国語PDF)」にも書いてあるように、作文配点30点中、「内容及び課題遂行」には、約3分の1である9点が配点されます。これがいわゆる、「聞かれたことにきちんと答えられているか」に相応します。

先に紹介した出題における、理想的な内容としては、

「私は友人のマリ子さんを尊敬しています。理由は、彼女は忙しい中毎日早起きをして試験勉強をし、見事合格しました。もう一つは、忙しいのに、ご両親の介護をされています」

といったように、具体的な人物をあげ、どんなところを尊敬するかを書いていくことです。

次ページで、もう一つの事例をご紹介します。取り上げる例のように、韓国語の意味を取り違えるケースもよく見られます。