※当記事は2014年に大幅な試験問題の改編が行われる前に執筆したものです。よって、現行試験と内容が合わない部分も出てきますが、試験に向けた普段の学習法や問題を解くテクニックなどは参考になると思います。なお、新方式の試験に関しては、記事『新・韓国語能力試験TOPIKの攻略法』をご覧ください。

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アンニョンハセヨ? 日本国内で年に2回実施される『韓国語能力試験TOPIK』は、韓国政府認定ということもあり、韓国語学習者の注目度は年々増加しているように感じます。韓国国内、日本国内に対策本も増え、準備がしやすくなってきました。これまで『韓国語能力試験・TOPIKの概要と勉強法』『三大韓国語検定試験!各試験の違いと過去問や試験概要』などの記事で、試験の概要や普段からの学習方法について取り上げましたが、今回は試験の解き方のコツについて取り上げてみたいと思います。
 

時間配分が鍵を握る

時間内で解くために、普段から時間を計りながら解くことがポイント

時間内で解くために、普段から時間を計りながら解くことがポイント

TOPIKを受験されたほとんどの方、特に中・高級を受験された方が、「時間が足りませんでした」とおっしゃいます。具体的には「作文を書く時間がなかった」、「『読むこと』の最後の長文が、いくつかまるまる読めなかった」というのが代表的な例です。なぜそうなるのでしょうか。

試験は初級、中級、高級がありますが、すべての級が
・語彙・文法
・書くこと
・聞くこと
・読むこと
という4分野からなります。『語彙・文法』『書くこと』の2分野で90分。休憩を挟み、『聞くこと』『読むこと』で90分です。

ここで受験者の多くが陥る落とし穴は、すべての科目を45分で解けば良いのだなと思ってしまうことです。

後半の『聞き取り』は、45分まるまる聞き取り音声が流れるので、自動的に『読むこと』の時間は45分間が残されます。したがって、その45分の中の時間配分を考えることになりますが、前半の『語彙・文法』『書くこと』は、2分野で90分使う、という考え方で挑む必要があります。そう、いかに『書くこと』の最後に出題される自由作文の時間を確保するかが重要です。具体的な対策は後述します。
 

『語彙・文法』分野の対策
 

まず、『語彙・文法』分野には、90分のうちの30分程度をかけるようにし、次の『書くこと』に備えましょう。

『語彙・文法』分野は、各級の必須文法が満遍なく問われます。『韓国語能力試験・TOPIKの概要と勉強法』でご紹介したような基礎教材を普段から使い、たくさんの文法・語彙に、日常的に触れていることが必要です。

中・高級は特に、文法的に間違っている、おかしい文章に振り回されがちです。四者択一式なので、4つ中3つは用法の間違った文章が出てくることになるのですが、語彙や文法の用法について吸収力が低いと、「あれ、この文法、そもそもどういう意味だっけ」となり、どれを読んでも合っているような、間違っているような……となります。

おかしい文章を徹底的に解剖し、何がおかしいのかを突き詰めるのは良い訓練になるでしょう。しかし、いろんな考え方があるかもしれませんが、私は逆に、正しい方の文章を繰り返し読んだり書いたりして、正しい使い方を脳の中に叩き込んだ方が良いのではないか、と思っています。

私が高級を受験したときの経験談ですが、私は覚えにくく且つ吸収力を高めたい文法や語彙が入った正しい文章に接する機会を多くするために、iPhoneに自分の声で録音をし、隙間時間に聴いたりシャドウウィングしたりして正しい文章を体に染みこませるようにしました。すると、問題を解くときに「あ、これが合ってるな」「これはおかしいかも」ということがすぐに分かるようになってきました。
 

『書くこと』分野の対策

※中級と高級の攻略のみ書かせて頂きます

TOPIKの難関、『書くこと』分野を、さらに分けてみると、以下の様になります。

1.四者択一式問題 10問
2.つなぎ合わせ作文問題 中級2問、高級1問
3.穴埋め作文問題 中・高級共に2問
4.テーマ指定、自由作文問題 中級400~600字、高級700~800字

「韓国語で書かなければいけない2~4は難しくて大変だから、1で頑張ろう」と時間や労力をいくら1にかけても配点は40点。2,3で30点、4で30点なので、逆に2~4でどれだけ点を取れるかが鍵となります。

時間配分は、1で10分、2,3で20分、4で30分、そう、『書くこと』分野に60分用意しておいてください。また、4を焦ってすぐ書き出さないこと。30分のうち、10分近くは構想を練る、ということが重要です。日本語でも良いのでポイントの文章を書き出したり、下書きをしておく時間に使っても良いと思います。

2~4について、求められていることは公開されています。『記述式答案 作成方法』をご覧下さい。最初は初級の内容で始まりますが、中級、高級と続きます。こちらは日本語のサイトです。

ここには自由作文について、注目すべきことが書いてあります。
それは何かというと、初級には
終止形として「~ダ」「~スムニダ」「~ヨ」を使用しても構いません
出典:『記述式答案 作成方法』
と書いてあるのに対し、中・高級では
終止形として「~スムニダ」「~ヨ」を使用すると減点となります
出典:『記述式答案 作成方法』
とされているところです。中・高級では、終止形を「~ダ」の形で書く必要があります。

意外と韓国語学習者に知られていないのですが、韓国語の作文の書き方は、「나는 그렇게 생각한다.(ナヌン クロッケ センガッカンダ)」と、主語にはぞんざいな方の主語である「나(ナ/わたし、ぼく)」「네(ネ/わたしの、ぼくの)」を使い、語尾は「~ㄴ/는다」体を使うのがスタンダードです。韓国は小学校から国語の授業で作文の書き方を勉強しますが、まさにこのように書く訓練をしています。

そこで、発生する問題は、学習者が「~ㄴ/는다」体の終始語尾に慣れていないこと。形容詞、動詞の活用が違っているケースを多く見かけます。ただ、当日そのためにあまりにも時間を費やしたり悩んだりするのであれば、割り切って「저는 그렇게 생각합니다.(チョヌン クロッケ センガッカムニダ)」のように、丁寧語+「~スムニダ」体で書き、むしろ作文の内容を充実させる方に労力を使ったほうが良いと思います。

その他、マスの空け方や改行するときのポイントなど、お伝えしたいことにはキリがありません。また、4の自由作文だけでなく、2,3の作文でもお伝えしたいことは山ほどあります。それらについては、改めてまとめるか、全国または海外の当該試験の受験者がどなたでも受けられるような講座をいつかご提供したいと思っています。

それでは、次は試験の後半、『聞くこと』と『読むこと』について見てみましょう。