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夫も被害者!? 「妻たちのDV」にご用心!(2ページ目)

「配偶者からの暴力」であるDVは、妻から夫への暴力も含まれます。身体的暴力はもとより、キツい言葉、失礼な態度などの精神的いやがらせもDVになりますので、注意が必要です。「DV妻」と呼ばれないため、夫婦関係を破綻させないために必要なこととは?

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド


ついうっかり、夫にこんないやがらせをしていませんか?

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子どもを巻き込んでDVをしている可能性も?

たとえば、妻が夫に「稼ぎが少ないから、私が働いてやってる」「女房子どもも養えないくせに!」などと、嫌味を言ってしまう。こんな風に、男性は自分の仕事や稼ぎを否定されると、女性以上に傷つくでしょう……。

「外に行かないでよ」「休日は必ず家にいて!」などと夫の行動や交友を制限したり、夫あての手紙を勝手に開け、携帯の履歴をチェックしたり。夫の食事だけ手を抜いたり、「この人、使えない男だから」と人前で馬鹿にしたり。「これやっとけ!」などと命令口調で指示したり、夫が大切にしている物を、「ゴミみたい」と勝手に処分してしまったり。夫にはなけなしの小遣いしか渡さず、自分は自由にお金を使いまくっていたり……。妻たちのこんな言動は、実際あちこちで耳にしたことがあります。

そして、おどしもいやがらせ(=DV)に入りますが、妻の場合、夫へのおどし文句に、つい「子ども」を利用してしまうことがあると思います。「子どもを連れて出て行くから!」「子どもは私がもらうから!」といった調子です。

さらには、「お父さんってひどいんだよ」と夫の悪口を子どもに植え込み、子どもを自分の見方につけて、2対1、3対1で父親を無視したり、攻撃したり――こんな例も、いやがらせに入りそうです。また、「子どもの前での暴力をふるうこと」は児童虐待になりますが、この例のように子どもの心を操作して、夫婦間のいざこざに巻き込み、いやがらせに加担させることも、子どもへの心理的虐待にあたる可能性は十分あるように思います。

精神的DVによる傷が増え、夫婦関係が破綻することも……

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ついうっかりのいやがらせが、人を深く傷つけることも多い

このように、夫に無意識のうちに行っている失礼な言葉や態度のなかにも、DVにあたる行為があるかもしれないので、注意したいものです。では、妻がついうっかりいやがらせをしてしまわないためには、どんな心がけが必要なのでしょう?

いちばん大切な心構えは、パートナーを大切な家族として「尊重」すること。「稼ぎがいい、悪い」「強い、弱い」というような条件をつけず、ありのままのその人を大切にすることです。また、「子どもがいちばん、夫は二の次」と序列をつけたり、自分がされたら傷つくことはしないことも基本です。

もちろん、妻が夫に失礼なこと言ったり、したりしてしまうのにも、理由があるのだと思います。とはいえ、感情のままに、夫を傷つけそうになったら、一度立ち止まってみてください。羽を休めて安らぐべき家庭の中で、夫は身の置き所がなくなっているかもしれません。そして、夫がなにも言わないのは、我慢強く耐えているからであり、本音は妻の攻撃に打ちのめされているかもしれません。あまりの仕打ちにプライドが傷ついて、言葉にならないのかもしれません。

こうした傷が増えていくと、夫婦の関係が元に戻れなくなってしまうことも少なくないので、注意しましょう。
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