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河童町がテーマパークに大変身『かっぱのこいのぼり』

伊予の国にある「かっぱ町」の様子が、なぜかいつもと全然違います。みんな、あるものを楽しみにウキウキしています。それは、明日に迫った「子どもの日」に関係する事らしいのですが、彼らは一体何をそんなに楽しみにしているのでしょうか?

執筆者:大橋 悦子

かっぱの町にも、来るぞ、来るぞ、子どもの日が来るぞ~

名物の坊ちゃん電車とじょうちゃん電車が行き交うかっぱ町は、伊予の国松山にあります。今日は、そのかっぱ町の様子がいつもと少し違います。大人のかっぱも、子どものかっぱも、みんなニコニコ、ちょっぴり浮かれているようです。いったいどうしたというでしょう? その理由は、どうやら明日に迫った「子どもの日」にあるようです。

絶景なり!伊予の国河童町の『かっぱのこいのぼり』

『かっぱのこいのぼり』の表紙画像

坊ちゃん列車や道後温泉まで登場? そんな河童町の風景もお楽しみ!

かっぱの町が伊予の国(愛媛県)にあるなんて初めて知りました。しかもその町の様子は、人間界の松山にうりふたつ。名物電車が走り、かっぱたちが通う河童温泉など、その外観も内部の様子も、まるで道後温泉本館そのものです。

そんなかっぱ町の様子が、今日はいつもとまるで違います。みんな明日の子どもの日に備えて、河童温泉で身を清め、髪を整え、町全体がウキウキしているのです。かわうそや、さんしょううお、かわえびまでが、かっぱ町に遊びに来ました。明日の前夜祭とばかりに、町には夜店の屋台が立ち並び、特設の舞台は歌や踊りで大賑わい。かっぱ町は、有名なテーマパークに優るとも劣らない華やかさです。

さて、かっぱたちは子どもの日の何をそれほど楽しみにしているのでしょうか? それは……皆さんの想像通り、こいのぼりです。でも、普通のこいのぼりではありません。人間たちが、川に架け渡したこいのぼりなのです。それを、かっぱたちは、川底から見上げて楽しみます。たくさんのこいのぼりが雄大に泳ぐさまは、まさに絶景と呼ぶに相応しい眺めです。

こいのぼりのイメージ画像

五月晴れの空に泳ぐこいのぼり。1度は川底から眺めてみたいですね

この物事を逆から眺める発想が面白いですね。私たちが眺めているこいのぼりを、かっぱたちも川底から楽しんでいるなんて、想像するだけでワクワクしませんか? しかも、かっぱたちは「みごとなもんですな さすがにんげんさまだ」と、人間に敬意を払ってくれています。そんなことを言われると、「河童の住む川を汚しちゃ、ダメよね」なんて考えが、チラッと頭をかすめたりもしますね。

あれ~「河童なんて空想上の生き物だよ。」なんて言っている人は誰ですか? かっぱが実在するかどうかは、絵本の最後のページを見ればわかります。ほら、子どもの日に菖蒲湯に入る人間の男の子の後に、小さなこいのぼりを持って走るあんなものが……?!


【書籍DATA】
内田麟太郎:作 山本孝:絵
価格:1404円
出版社:岩崎書店
推奨年齢:4歳くらいから
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