ローン控除の有無で、金利の実質負担額が大きくかわる
ローン控除拡充のメリットの大きい新築マンション
比較の難しい築古の中古マンションをリフォームするケースを考えてみましょう。仮に築35年のローン控除が使えない3500万円のマンション(60平米)を590万円かけてリフォームした場合と新築の5000万円のマンション(60平米)を購入した場合で比較してみましょう(自己資金800万円、住宅ローン控除を満額使えることとします)。※諸費用等は、おおよその概算値を想定しています。参考程度にご覧ください。物件や取得方法などによって登記費用や諸費用は変わります。
3500万円の中古マンション(築35年)を590万円でリフォームした場合(全期間固定金利2.45% ローン保証料なし)
仲介手数料 119.88万円、登記費用 30万円(概算)、リフォーム費用 637万円(税込) 契約印紙代1.5万円 その他諸費用を合わせ合計額 4300万円 融資額3500万円
住宅ローンの支払総額 約5,215万円 金利の支払総額 約1,715万円
5000万円の新築マンションを購入した場合(全期間固定金利2.45% ローン保証料なしの場合)
登記費用 30万円(概算)、契約印紙代1.5万円 その他諸費用合わせ(修繕積立基金などがかかります)合計 5100万円 融資額4300万円
住宅ローンの支払総額 約6,408万円 金利の支払総額 約2,108万円
住宅ローン控除の総額概算(12月から返済がスタートした場合)約384万円
住宅ローン控除も踏まえた金利負担額 約1724万円
住宅ローンの支払総額は、当然借入総額の大きい新築マンションの方が大きくなりますが、金利負担の総額は、借入額が800万円も違うのにほとんど変わらない結果になります。住宅ローン控除の負担減は、大きいといえるでしょう。
住宅ローン控除の上限は、対象者の所得税額と住民税額13万6,500円までの合わせた金額ですので、上記の結果が得られるのは、住宅ローンを組む人が一定の年収がある場合です。よってどんな世帯がローンを組むのかによっても結果が変わります。
借入額によっては、中古マンションでもローン控除のメリットは今も大きい
住宅ローン控除は、借入金の年末残高の1%が控除される仕組みなので借入金が大きければ控除額も大きくなります。共働きで夫婦別々に4,000万円以上のローンを組むような方なら新築マンションの方が控除額に関してはかなり大きくなります。
買いやすさは、今は新築
暮らしやすさを良く考えて、マンションを選ぼう
では、購入環境はどうでしょうか。新築マンションマーケットでは、大規模マンションなどは消費税引き上げ後の販売を想定して、今度のゴールデンウィーク前後に集客のヤマを設けている物件も多いです。工事費上昇の影響は将来的には大きいかもしれませんが、今は市場に流通している新築マンションが一定量あるのも事実。地域によっては選びやすい環境にあるでしょう。中古マンション市場はどうでしょうか。東日本不動産流通機構発表の2014年2月度の月例速報によれば、18カ月ぶりに首都圏中古マンションの成約件数が前年比で若干下回っているものの(-0.2%)雪の影響も考えるとかなりの高水準。在庫件数も少なく、希望の物件を探しにくい状況は続いているようです。消費増税後の4月以降の動きを注視したいところだと思います。
何れを選ぶにせよ将来的に売却する際の諸費用は相応にかかります。新築マンション、中古マンションどちらを選ぶにしても、長く住みやすいマンションを選ぶの方が結局はお買い得と言えるのではないでしょうか。そう考えると、供給量が豊富な新築マンションの方が今は分があるのかも知れません。ただし投資目的で新築マンションを購入する人はご注意ください。中古で売却する際には、買い手は新築時と比べローン控除が減るわけですから(現制度の場合)。
【関連記事】
◆2014年は、マンション『まだ買い時』説の真偽