ゲイカップルはストレートよりお買い物好き
NIKEは2012年、プライド月間を祝してレインボーなスニーカーを発表。
ゲイマーケットとかピンクマネー(ピンクっていうのはアダルトという意味ではなくて、ピンクがゲイのシンボルカラーであることに由来しています)の話で必ず出てくるのが、ゲイは可処分所得が高いということ。今でこそ欧米では子育てをするゲイやレズビアンのカップルもとても多くなっていますが、子どもがいないと自由に使えるお金も多いので、男女の夫婦(世帯)に比べて消費が多くなるということですが、上記の調査は、それを裏付けるかたちとなったわけです。
ゴトウの周りでも、特に東京で実家暮らしだったりするゲイの友達は、羽振りがいいというか、湯水のようにお金を使っているように見えます。そうでなくても(一人暮らしやパートナーと同居という人でも)、スマホやPCは当たり前のように持ってるし、海外旅行も行くし、同年代の妻子持ちのノンケさんに比べると消費額が多いっていうのは当たってると思います(30%高いっていうのはけっこうリアルかも)
ここでさっきのMacの話になってくるのですが、じゃあ、ゲイは何にでもお金を使うかというと、そんなことはないのです。残念ながら、競馬、ゴルフ、野球、つり…といったジャンルでは見込み薄です。その代わり、外食、エンタメ(映画とか)、旅行、ファッションなどではかなり優良な消費者だと思います。その中でも、PCだったら断然Macが人気だし、エンタメ系やファッションに関してもさまざま、こだわりがあるのです。
で、ゴトウが申し上げたいのは、この右肩下がりの時代、伸び悩みを感じる企業の方は、そろそろゲイマーケットを意識してみてもいいのでは?ということです。アメリカでは77兆円(日本でも6兆円という試算があります)と目される市場にメジャーブランドが一斉に飛びつきました。
アメリカのゲイフレンドリー企業は、優秀なゲイの社員を獲得するために、LGBTを差別しないような職場環境の整備を推進し(社内でダイバーシティ教育を実施)、リーバイスのようにいち早く社員の同性パートナーへの福利厚生(保険など)を認めたり、ナイキのように同性婚法制定を支援したり、アメリカン航空のように社内に「レインボーチーム」を設けてゲイ向けキャンペーンを打ち出したりしています。(この辺りのお話は『GQ』2011年4月号特集「LGBTが世界を動かす。THE POWER OF LGBT。」にたいへん詳しくまとめられています)
大切なのは、ゲイ(をはじめとするセクシュアルマイノリティ)の支持を得られるようにすること(ゲイを食い物にしようという魂胆が見えるようではダメです)。すでに日本でも、タワーレコードやBODY SHOP、Softbank、Google、アルファロメオといった企業が、プライドイベントや映画祭に協賛し、ゲイフレンドリー企業として認知されています。それがどれだけ売上げに結びつくかは(いちいちお客様にゲイですか?と聞くわけにいかないので)わかりづらいのですが、たとえばアルファロメオでは、日本でLGBT向けマーケティングを始めてから販売台数が1863台から4452台に急増しています(2月12日産経Bizの記事より)
欧米のように多様性を尊ぶ社会を作る方が(G7の中で同性愛者の権利が何も認められてないのは日本だけですね)、アベノミクスとかよりも経済効果が高いのでは?と思う次第です。
というわけで、お買い物の話からゲイマーケットの話に飛んでみました。ではまた来月!