新型レンジローバーの軽快な走りと極上の乗り心地(2ページ目)

大きさを感じさせない軽快な走り

レンジローバーよりも90kg軽くなったレンジローバー・スポーツ「SE」を走らせてみた。レンジローバーよりも軽く、短いだけにフットワークに重厚感はもちろんあるのだが、かったるい「重さ」を感じさせないのが魅力的。

5.0LのV8と比べれば「遅い方」である3.0LのV6エンジンは、スーパーチャージャーらしい過給音を響かせながら軽々と吹け上がるのが印象的で、最高出力340ps/6500rpm、最大トルク450Nm/3500rpmは、2250kgの車両重量にはまさしく必要十分。

こと日本においてはシーンを問わず3.0LのV6で不足はまったくなく、「SE」、「HSE」でもレンジローバー・スポーツの価値は十分に堪能できるはずだ。

ただし、「Autobiography Dynamic」にのみ備わる「ダイナミック・レスポンス」と「アダプティブ・ダイナミクス」、「トルクベクタリング」など俊敏な走りとより上質な乗り心地を享受したいのであれば最上級グレードを指名するしかない。

また、電動パワステは油圧のようにしっとり感があり、ハンドリングも正確だが、さすがに2250kgもの重量によりRのきついコーナーでは曲がりにくさも感じるが、それでも「スポーツ」の名に恥じない俊敏な走りはレンジローバーとはひと味違う長所といえる。

乗り心地も上々

サスペンションもアルミニウム製になる足まわりは、ホイールサイズにより異なるものの、バネ下の重さもあまり感じさせない。「SE」には車体の動きを1秒間に500回以上監視する「アダプティブ・ダイナミクス」などは備わらないが、乗り心地は十分に快適だ。

最小で19インチ、最大で21インチを装着する大きめのタイヤにも関わらず、分厚い絨毯の上をゆったり走っているような極上の乗り味を味わえる。

路面のギャップを踏んだ時の当たりは柔らかくないが、エアサスペンションやボディ、シートなどのトータルの減衰性能が高く、乗員に不快な衝撃を伝えてこないのはさすが最新のレンジローバーだと唸らされる。

個人的にはレンジローバーよりもこのレンジローバー・スポーツの少し手応えのある乗り心地の方が好みだった。しかも、先代レンジローバー・スポーツよりも乗り味の洗練度はグッと増している。

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