オフロード性能も万全
今回はオフロードを走る機会はなかったが、こと日本においてはほとんどをオンロードで走る人が大半であるはず。日本で遭遇する雪道やオフロードなら余裕でこなす4WD性能は、「テレイン・レスポンス」があるから不足はないはず。もちろん、草地/砂利/雪/泥/轍/砂地/岩場など走行シーンに応じてダイヤルのイラストを合わせれば最適な駆動力と乗り心地を提供してくれるだけでなく、「Autobiography Dynamic」に標準の「テレイン・レスポンス2オート」は、「オートモード」にしない際は最適な車高を選択するようにドライバーに推奨する技術も搭載する。
また、走行中にオンロードからオフロード・モードへの切替が可能で、従来の50km/hから80km/hに速度域が上がっている。
身長180cm級の人が4人快適に移動できる
インテリアのしつらえは、最廉価仕様の「SE」でも堂々たる風格を感じさせるもので、リヤシートは先代よりもニースペース(膝前)を24mm拡大し、3列シートの7人乗りもオプションで設定されている。エマージェンシー用としてサードシートが必要な人には朗報だ。前後席間の距離はもちろん、ワイドなリヤシートは小柄な人であれば3人掛けも余裕でこなす。後席を倒さなくても荷室容量は909Lと十分に広大だし、後席を倒せば最大で2030Lもの大空間が出現する。
ライバルはBMW X5やポルシェ・カイエン、MLクラスなどのSUVはもちろんだが、高級サルーンに匹敵する上質な乗り味は、サルーン系も競合車に視野に入れそうな出来映えで、さらにSUVならではの広大なラゲッジスペースやサードシートも追加できる実用性も魅力。
いずれにしてもこの800万円~1000万円超の高級SUVで、レンジローバー・スポーツを選択肢に入れないのは、個人により嗜好が異なるとはいえ「もったいない」のは間違いない。