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新時代のデジタルキャンドル

今回はインゴ・マウラーの新作を紹介します。器具は細長い一本のキャンドルスチックのような形状をしており、その先端には120灯を超える小型のLEDチップが組み込まれて、デジタルパネルを構成しています。デジタルパネル部分がまるでろうそくの炎が微風で揺らめくような動きを見せる、それは新時代のデジタルキャンドルを彷彿させます。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

新時代のデジタルキャンドル

2013ユーロルーチェ

写真1. インゴ・マウラーの展示コーナー(2013年、ユーロルーチェ)

インゴ・マウラーは日本でも人気の高い照明デザイナーです。

前回、「インゴ・マウラーが作りだす楽しいあかり、美しい照明」でご紹介した羽の生えた電球「Lucellino」 はユニークでアート性に富んだ愛情溢れる作品として、あまりにも有名です。

また、他にはない繊細なローボルトワイヤーシステムは2本のワイヤに小型の照明器具を吊るすもので、日本でも納入例が多く、見たことのある人は少なくないと思います。

その他にも興味深い作品を数多く発表していますが、その作風は「光の詩人」と称されるほどに情感たっぷりとアーティスティックで美しく、かつミニマムで機能的なものが多く、今や誰もが認める照明界の巨匠といえます。

そんなインゴ・マウラーの新製品が満を持して登場しました。


インゴ・マウラーの新しいランプ「My New Flame」

「My New Flame」

写真2. 「My New Flame」

「My New Flame」(以下、マイ・ニュー・フレイム)を直訳すれば私の新しい炎と言うことになりますが、この製品は新時代のキャンドルの輝きを彷彿させます。(写真2)

「My New Flame」

写真3. 回路基板をデザインとして見せる

細長い1本のキャンドルスティックのような形状で、キャンドルの炎に相当する部分は256灯(片側128灯)の小粒のLEDが組み込まれたデジタルパネルになっています。

そこに微風で揺らめくキャンドルの炎をレンダリングし、さらに暖かい色温度を表現するようにプログラムされています。

デジタルパネルの解像度は低いですが、それが逆にこの器具の魅力を高め、少し離れた位置からみると、まるで本物のキャンドルの炎を感じさせます。

このような揺らめきを作る電子回路基板は、普通見せないで器具内のどこかに隠してしまいますが、この回路さえもデザインの一部として見せてしまう大胆さがインゴ・マウラーらしいといえます。(写真3)

光の効果は動画でないと分かりにくいのですが、以下に紹介する何枚かの連続写真でイメージしていただければと思います。(写真4)
光の効果

写真4. 本物の炎のゆらめきを感じる仕上がり


「マイ・ニュー・フレイム」はバッテリー駆動のコードレスのため、キャンドルと同じようにどこへでも持っていくことのできる照明器具です。

どちらかと言えば場の明るさを得ることより、揺らめく輝きを楽しむものなので、例えばテラスのテーブル上に、またリビングルームのサイドテーブルやキャビネットなどの上においても良く、複数灯の配灯にすれば超近代的な輝きのロマンスは単に目を楽しませるだけではなく、気分まで高揚します。

デザインとテクニックが融合した、美しく、見飽きることのないテーブルランプです。もちろんキャンドルのように風で消えたり、火の心配がないので、より安全でテーブル面を彩ることでしょう。 

「My New Flame」Table Lampの技術データ
・本体の色:Black 、Red
・LED 片面128個、両面で256個
・2700K CR(平均演色評価数)80以上
・調光機能付き(スイッチで調光)
・単三充電式電池4個付
・充電用USBケーブル付

次のページでは「シャンデリア型のMy New Flame」についてご紹介します

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