ベルギー/ブリュッセル

ブルージュの美術館・博物館(4ページ目)

ブルージュの別名は「天井のない美術館」―その名の通り、歴史的な、そして、現代ベルギーを象徴するさまざまなミュージアムがあります。雨が多く、冬の長いベルギー。興味と気分の赴くままに、好みのミュージアムを訪ねて見るのも、ブルージュの楽しみ方のひとつです。

栗田 路子

執筆者:栗田 路子

ベルギーガイド

現代ベルギーを象徴するおもしろ博物館

さて、15世紀尽くめの古いものに飽きたら、現代ベルギーを象徴する2つのおもしろ博物館はいかがでしょう。歴史は苦手という方々も、きっと楽しく美味しい体験ができるでしょう。以下にご紹介する博物館は、比較的最近できたものですが、その建物は、ブルージュを代表する歴史的な建物の中に作られ、建物の保存にも一役かっているのです。

フリッツ博物館

フリッツの試食もさせてくれます!

フリッツ博物館

ブリュージュの中心から北へ250m。14世紀ジェノヴァ商館として用いられていたSaaihalleと呼ばれる由緒正しい建物の中に作られたのが、ベルギー人の誇り「フリッツ」博物館。ブルージュが当時、欧州の商取引の中心であったことを物語るように、このあたりには、ベニスやフィレンツェの商館も並び、大商人ヴァン・デル・ブルス家の館を取り囲んでいたとか。今日、英語以外の欧州言語では「証券取引所」を「ブルス」「ボルサ」などと呼ぶのですが、このブリュージュの名家がその語源とされています。

さて、この歴史的な建物の中に展示されているのは、日本で『フライドポテト』と呼ばれる揚げポテト。英語では、『フレンチフライ』と呼ばれていますが、実はベルギーが発祥というのが、ベルギー人説。ベルギーでは、フリッツと呼ばれ、これを売る屋台がベルギー中いたるところに並び、フリッツ用の専用家電が、まるで日本でいう炊飯器のように、一家に一台必ずというほど備えられています。

たかが揚げ芋と馬鹿にすることなかれ。ベルギー人は、ジャガイモのタイプから、切り方、揚げ油の原料と精製の度合い、温度と揚げ方、そして、それにかけるソースまで、実にコダワルコダワル。ベルギー人の「美味しいフリッツへのウンチク」を心行くまで理解したら、お土産に美味しいフリッツを味合わせてくれます!

フリッツをモチーフとした驚くべきコレクションは、フリッツ連盟理事でもあるエディさんが生涯をかけて集めた数々。世界広しといえども、ベルギーならではの「テーマ博物館」としてお奨めです。

<DATA>
Frietmuseum フリッツ博物館
住所:Vlamingstraat 33
開館時間:毎日 10:00~17:00
休館日:1月1日、1月7日~18日、12月24日、12月25日、12月31日
入場料:大人6ユーロ、65歳以上と学生5ユーロ、6~12歳4ユーロ、6歳未満無料

チョコレート博物館

フリッツ博物館を作ったエディさん・セドリックさんの兄弟が作った、「ベルギーグルメ」の真髄第二段は「チョコレートの博物館」。ここでは、チョコレートとカカオの歴史を学びながら、子供たちは遊ぶように、そして、大人も製造過程を実際に目の当たりにしながら、ベルギーチョコの美味しさを理解することができます。そして、もちろん、試食。チョコレート好きには、絶対のお奨めです。

<DATA>
Choco-Story チョコ・ストーリー
住所: Wijnzakstraat 2
開館時間:毎日 10:00~17:00
休館日:1月1日、1月7日~18日、12月24日、12月25日、12月31日
入場料:大人7ユーロ、65歳以上と学生6ユーロ、6~12歳4ユーロ、6歳未満無料

さて、充実したブルージュの旅、知性とお腹の両方を満足させられそうですか?
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます