iPad miniは、Wi-Fi版とWi-Fi+Cellular版が発売されており、Wi-Fi+Cellular版は、ソフトバンクとauから発売されています。ドコモ版の発売は未定です(2014年2月15日現在)。このiPad miniのWi-Fi+Cellular版の海外で発売されているSIMフリーモデルが人気になっています。その秘密を紹介します。
技適マークを搭載
日本国内で、携帯ネットワークを使った端末を利用する場合、総務省の特定無線設備の技術基準適合証明等のマーク(通称、技適マーク)が必要となります。海外モデルは、この技適マークを取得していないことが多く、国内で通信が利用できません。
iPhoneを例にとると、アップル製品のiPhoneシリーズは、海外版SIMフリーiPhone 4/4s/5では、技適マークが搭載されていましたが、海外版SIMフリーiPhone 5s/5cで技適マークが搭載されていませんでした。海外版SIMフリーiPhone 5s/5cを日本国内では利用が難しい状況になっています。(なお、日本のアップルストアにて、SIMフリーiPhone 5s/5cの発売が開始され、この端末には技適マークが搭載されています。)
一方、海外版SIMフリーiPad miniには、技適マークが搭載されています。海外で購入、または、輸入したSIMフリーiPad miniの日本国内の利用が可能になります。
MVNOサービス利用で月額運用費を抑える
タブレットは、公衆無線LANサービスやWi-Fiモバイルルーターを利用して、LTE/3Gネットワークを搭載しないWi-Fiモデルを利用する方が月額コストがかかりませんが、実際に利用してみると、本体に携帯通信機能を搭載したタブレットの方が圧倒的に便利です。通信速度が遅くても、搭載していた方が便利な場面が多くなります。
ただ、タブレットにLTE/3Gネットワーク機能を搭載させると、月額利用料金がかかってしまいます。スマートフォンを併用するユーザーには負担になります。そこで、SIMフリーiPad miniを使うことで、ドコモのネットワークを使った格安のMVNOサービスのSIMカードの利用が可能になります。iPad miniはタブレットのため、通話プラン不要の通信専用プランにて、格安の月額通信費用で、MVNOネットワークが利用できます。通信速度や月額通信料によりますが、月額1000円以下でも運用が可能です。
海外版SIMフリーiPad miniの使用例
海外版SIMフリーiPad miniの実際の使用例をご紹介します。MVNOサービスのIIJmioを利用しました。今回は、「iPad mini Retinaディスプレイモデル SIMフリー版」を使用しました。SIMカードを挿すことで、ドコモのネットワークを掴みました。設定→モバイルデータ通信に「APN」「ユーザー名」「パスワード」を入力することで、ネットの利用することが可能です。
iPad miniに代表される8インチ前後のタブレットは、10インチタブレットと比較して、取回しがしやすいため、モバイルシーンで活用することが想定されます。ちょっとした電車の移動時間でも使いやすい端末です。その分、ちょっとした時間で利用する際に、無線LANアクセスポイントを探したり、Wi-Fiモバイルルーターに接続したり、という作業は煩雑に感じてしまいます。
そのため、iPad miniを、フルに活用する際には、すぐにネットに接続することができるWi-Fi+Cellular版を使いたいところです。しかし、スマートフォンを併用しているユーザーにとって、国内版を選択するのは、月額運用コストが倍になってしまいます。
このようなユーザーにとって、技適マークの搭載と、MVNOサービスで月額運用費を安くできるSIMフリー版のiPad miniが人気となるのは、自然な流れと思われます。iPad miniの導入を考えているユーザーは、SIMフリー版を選択肢の一つにしてはいかがでしょうか。