受賞者公演という冠が付くことで、期待して観に来る方もいると思います。
プレッシャーを感じたり、特に意識される部分はありますか?
関>緊張しています。『アミグレクタ』(2013年10月)が終わってからすぐにこちらのクリエーションに切り替えているのですが、常に心拍数が上がっている感じです。“受賞公演だろうが何だろうが、とにかくやることをやるしかない”と考えるように、最近はだいぶ落ち着いてきたのですが……。やっぱり受賞公演って聞いたら楽しみにするひともいるでしょうし、たぶん自分がお客さんだったらそうだと思うんです。でも、“期待されてる”と考える余裕がないというか、何の公演だろうが向かい方は変えられないというか。100人いたら100人のお客さん全員に喜んでもらうことは難しいと思うけど、それでも“観に来て良かった”と言っていただけるように頑張りたい。その為に何が自分にできるのか、自分の納得できるものを、まずはきちんと提示したいと思っています。
『ヘヴェルルッド』 (C)Kazuyuki Matsumoto
トヨタという大きなステップを経て、関さんの目指すところとは?
関>作品をつくることや上演すること、ダンスを通しての目標ややってみたいことは色々あります。フランスでの寮生活を経て、夢みたいなものもできました。ですが、まずは“屋根のあるところで死にたい”というのが最終目標です。その為に踊っていたり作っているという訳ではないけれど、うちは夫婦でこの仕事をやっているので、すごく不安定なんです。だから毎日ずっと怖い。あと、子供が欲しいと思っています。実際にできるかは置いておいて、子供ができてもダンスを続けるのがずっと目標でした。結婚しても、子供ができても、自分がダンスを辞めないでいるにはどうしたらいいか。やはりダンサーは女性が多いですし、自分の作品に出てくれている若いダンサーも含めて、家庭を持ったり子供を持ってからも、もし望むのであればダンサーとして活動を続けられる環境にしていきたいし、その為にどのようにがんばったらいいか考えています。今すぐには無理にでも、次の次の世代くらいには何かが変わっていくように、今できることを考えたいです。
関かおりさん