ここ20年で倍増している帝王切開

帝王切開にかかる費用ともらえるお金は?

元気に生まれてくればそれで良し!

帝王切開とは、妊婦のおなかにメスを入れて赤ちゃんを取り出す方法で、約10日間入院が必要になります。厚生労働省の2014年度「医療施設(静態動態)調査、病院報告の概況」によれば、1990年に分娩数のうち帝王切開は約10%でしたが、2014年は約19.7%とここ20年で倍増しています。晩婚化に伴う高齢出産の増加や医療機関の安全優先の考え方が影響しているのかもしれません。

また、某医科大の調査で、最近の妊婦の骨盤は、昭和時代の中後期と比べ「安産型」が減り、難産につながりやすい「細長型」が増えていることがわかり、研究結果が日本産婦人科学会で昨年発表されたそうです。生活様式や食習慣などが変化して、妊婦の骨盤も変化したのでしょうか。
 

どんな場合に帝王切開になるの?

帝王切開には、あらかじめ計画する予定帝王切開と、出産中のトラブルで自然分娩から切り替える緊急帝王切開があります。

■予定帝王切開になるケース
・双子以上の多胎妊娠
・前回も帝王切開だった場合
・母体合併症
・母体感染症
・逆子
・巨大児 など

■緊急帝王切開になるケース
・出産に時間がかかりすぎる場合
・子宮内感染、子宮が破裂しそうな場合
・妊娠数週が早い未熟児
・胎児の状態が悪い場合 など
 

帝王切開にかかる費用

帝王切開にかかる費用について確認してみましょう。自然分娩の入院は出産後4~5日ですが、帝王切開での入院日数は6~14日ほどと長いので、医療機関で計算される出産費用は自然分娩より高額になることが多いのです。

ただし、妊産婦の自己負担という面から見ると、帝王切開は手術自体に健康保険が使えます。結局、自然分娩の場合と同じくらいの金額になる医療機関が多いようです。

具体的な金額は医療機関により異なりますが、約40万~100万円です。その内訳は、帝王切開手術やその他医学的に処置を施した場合などの健康保険適用分と、分娩費などの自費診療分です。

帝王切開手術自体は健康保険適用で、地域や医療機関に関わらず、手術代は22万2000円(32週未満の早産の場合などは24万2000円。平成28年診療報酬点数表より)です。この金額のうち3割が妊産婦の自己負担額となるのです。自費診療分は医療機関ごとに異なります。

産まれた赤ちゃんについては、医学的措置が施された場合は健康保険適用ですが、元気な場合の入院費用の扱いは医療機関により異なるようです。入院1日約1万円が目安でしょう。

その他、おなかの傷対策に術後用腹帯(800~4000円ほど)やケロイド予防のシリコン・ジェルシート(4000~1万円ほど)などを準備しておくと安心のようです。
 

帝王切開でもらえるお金

給付金

出産は出費がかさむ。給付金は助かるはず

まず、出産でもらえるお金として、出産育児一時金42万円(※)があげられます。

出産育児一時金は直接支払制度や受取代理制度に加入している医療機関が多数あり、出産費用から出産育児一時金を差し引いた額が、自己負担額となります。

高額療養費制度による医療費の払い戻しがある場合も。事前に限度額認定申請証を取り寄せておけば、通院でも入院でも(レセプトは別)請求額は上限額(交通費含む給与27万円以上51万5000円未満の場合、約8万100円、収入により5段階)ですみます。

また、自然分娩の場合と同じく、多くの自治体で妊婦健診14回分の補助が受けられます。出産について出産育児一時金を差し引いた実費を助成する自治体(東京都港区HP参照)もあります。お住まいの市区町村役場へご確認ください。

民間の生損保会社で妊娠前に医療保険に入っていれば、自然分娩と違って、入院費用や手術について給付金が支給されます。帝王切開で出産して、結果的に黒字になったというケースもあるそうです。妊娠を検討した段階で医療保険に入っておくと安心かもしれません。

胎児の状態が悪い場合などで、出産後も赤ちゃんがNICUに入る場合も考えられるでしょう。出産後は、極力早く、赤ちゃんを健康保険の被扶養者として届出し、出生届とともに乳幼児医療費助成制度に加入させましょう。未熟児であれば、未熟児養育医療制度の手続きも済ませておきます。

医療機関でもらうレシートや通院にかかった電車代、バス代、出産のために移動したタクシー代など、医療費に関わる領収書などは、全部取っておきましょう。医療費控除として確定申告すると、税金が還付される場合があります。

現在は5人に1人が帝王切開による出産。赤ちゃんが元気に生まれるために帝王切開に切り替えられる可能性もあるのです。プレママの心の準備のためにも、プレパパ・プレママ対象の両親学級などで、帝王切開についての説明を増やす必要があるのではと考えます。

(※)産科医療補償制度に未加入の医療機関で出産した場合、平成26年12月31日までの出産なら39万円、平成27年1月1日以降の出産なら40万4000円

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