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子猫の離乳食はいつから? 離乳の進め方と注意点

子猫へ離乳食を与えるのはいつ頃からがいいのでしょうか?子猫に子猫専用の離乳食+フードを用意して、便の様子を確認しながら慎重に離乳を進めてください。今回は、離乳食をいつから始めるのか、1日何回与えるのかなどのスケジュールや正しい与え方を解説します。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

子猫の離乳食は成長に大きな影響がある

お母さん猫が妊娠中、そして子猫が生まれてから生後3ヵ月の間にどんな内容の食事を食べていたかで、その子猫の一生に様々な影響を及ぼすことがあります。

我が家の三毛(瞳子さん)は、ホームレスの方の元で生まれ、生後4~50日で猫の不妊・去勢活動をしているボランティアさんに引き取られました。多分、お母さん猫は妊娠中~授乳期に必要な栄養を子猫に与えることができなかったのでしょう。保護された後は手厚いケアを受けてきましたが、瞳子さんの歯にはエナメル質がみられません。
子猫の離乳食

ご縁があって、家族となった瞳子さん

今はメタボ気味の体型になっていますが、飼い主がいない猫が生んだ子猫は、何かしらの栄養障害を背負っていることがありますので、もしそれがわかる部分であれば(瞳子さんの歯のように)日頃から特に注意してあげてください。
   

子猫の離乳食はいつから始める?離乳食開始の合図とあげ方

順調に体重が増えていれば、離乳食は生後3週頃からスタートできます。乳歯が生え始めるのがちょうどこの生後3週頃で、歯茎に軽く触れてみてトゲトゲの歯が生えてきていれば、離乳食開始の合図だと思って良いでしょう。

生後3週頃の子猫は……
・徐々に足腰がしっかりしてきて、トコトコ歩き回るようになります。
・セルフグルーミングを始めたり、兄弟がいれば舐めたり噛んだりして遊び始めます。
・動態視力はまだまだですが、動くものを目で追うようになります。
・動くものや音のするものに興味を示し始めます。

猫の離乳食には様々な種類があります

猫の離乳食には様々な種類があります

離乳食はお湯で溶かして与える粉ミルクのような子猫専用のものから、人間の赤ちゃんの離乳食と同じようなペースト状の缶詰などがありますが、ガイド宅では動物病院で入手できる療法食の中の高栄養食を利用しています。

何を与えるにしても、最初は一口からスタートし、仮にもっと欲しがっても、時間をかけて便の様子を見ながらにした方が無難です。この時期にひどい下痢を経験すると、将来的にも胃腸の弱い子になるかもしれませんので注意してください。

我が家の基本的な離乳食スケジュールは……
1~2日目:2回(一舐め)+ほ乳4回
3~5日目:2回(二~三舐め)+ほ乳4回
6日目以降:便の様子を見ながら、また離乳食の好み方を見ながら臨機応変に量と回数を増やします。
10~12日頃までに、離乳食を1日3回、ほ乳を1日2回のペースに持っていきます。

※離乳食とほ乳の両方が必要なのは、離乳食をスタートして1~2週間です。ほ乳は徐々に回数を減らしていってください。
 

離乳食の食べさせ方:食べない子猫にはほ乳をしながら与えよう

お乳を飲むときは、乳首に舌を巻いて吸い付きますが、自分でものを食べるときはそれまでと全く違う舌の使い方をしなければなりません。なかなか上手に舌が使えなかったり、口の中に入っている流動物を上手に咀嚼できない子がいます。

最初は離乳食を指につけて、上あごに擦りつけて味を覚えさせます。嫌がる子は、ぺっぺっと吐き出したり、何時までもクチュクチュさせて、そのうち口の端からだらぁ~と垂れ流したりします。かと思うと、口元に持っていくだけで指ごとパクッと食いつく子もいます。初めての離乳食から食いつきが良くても、胃腸は固形物になれていませんから、1日目は一舐めにして、ウンチの様子を確認しながら徐々に食べても良い量を増やすようにしてください。

子猫は上手に舌で巻き込んで乳を飲む

上手に舌で巻き込んで…

離乳食をスタートして4日目以降で、便の様子に問題なく自力でドンドン食べたがる子猫は、様子を見ながら欲しがるだけ食べさせてもOKです。多くの子猫は、数十秒~数分間集中して食べ、口を離します。口を離したら終了の合図と思って、それ以上無理に食べさせないでください。離乳食を先に食べさせて、あまり食が進まなかった子はいつも通りほ乳してください。


口の中に入れないと食べられなかった子猫が、徐々にお皿に盛った離乳食を自分で食べられるようになっていきます。しかし、子猫は平べったいものを舌で舐め取るのが不得意です。自分で咀嚼できるようになってきたら、離乳食はとんがり帽子のような小山を作ってあげる方が食べやすいでしょう。最初はチュウチュウ吸い付くように食べる子が多いので、指で盛り上げて食べやすいようにしてあげてください。
 

離乳食の時期に色んなフードをあげる必要は?アレルギーの危険性も

離乳食の時期には色んなもの(ドライ・缶詰・魚・肉など)を食べさせた方が、その後なんでも食べる猫に成長できる、という説がありますが、様々な異タンパクを一気に摂ることで、食物アレルギーになる可能性が高まる、という説もあります。

ガイドの経験では、離乳期に色んなものを食べさせても最終的にはその猫の好み(ドライが好き、缶詰が好き、魚が好き、肉が好き等……)と落ちつくようです。ですから、無理に色んな食材に挑戦する必要はないのでは?と思っています。

基本的に猫は、「より美味しい」ものを好む舌の肥えた動物ですし、将来的にもし病院に預けるとか、自分がケアできない状況を考えると、ドライフードを食べてくれると助かります。ドライフードに関しては賛否あるでしょうが、原材料・内容物・製造元のはっきりとした評判の良いフードを選んであげてください。

生後5~6週になると爪とぎもできるように

生後5~6週になると爪とぎもできます

 

年齢にあった栄養が摂れる猫用年齢別フードがおすすめ!

 
 

メーカーによっては、離乳期~生後3ヵ月までのベビー用、生後3ヵ月~8ヵ月頃までのキトン用、そして成猫、高齢用と年齢別のフードが用意されています。

猫の獣医学、栄養学の研究が進んでそれぞれの時期に必要な栄養素やカロリーが配分されていますので、是非年齢別フードを利用することをお奨めします。

子猫も食事に馴れるとペロペロできますが…

馴れるとペロペロできますが…
 

水分は別で与えるべき?

高栄養の療法食や缶詰タイプであれば、水分は十分に摂ることができますので、無理にお水を飲ませる必要はありません。しかし、浅いお皿に少しだけミルクかお水を用意して、自分で舐められる訓練をスタートしてください。
 

離乳食を食べない子猫はどうすればよい?

何度も指で離乳食を上あごに擦りつけても吐き出す子は、離乳食のニュルニュルした柔らかい感触が苦手なのかも知れません。ベビー用のドライフードを少しだけお湯でふやかして、口の中に入れてやると食べたり、中にはいきなり硬いままを囓り出す子がいます。子猫の好みは様々なので、臨機応変に対応してください。

硬いまま食べて消化できるか?と心配されるかも知れませんが、ベビー用であればその配慮がなされていますので大丈夫です。
 

子猫の離乳食と同時にトイレトレーニング!トイレ訓練の方法も伝授

離乳食と同時にトイレトレーニング

頑張って、踏ん張る!

一度覚えると、次回もトイレを使える子が多いですが、遊びに夢中になってトイレまで間に合わずそこらでお漏らししてしまうことがあります。お漏らししても決して叱らないでください。すぐにトイレに連れて行って、砂をカキカキさせ「オシッコはここよ」と根気よく教えてください。離乳食が軌道に乗ってきたら、次はトイレトレーニングの開始です。といっても、猫は決まった場所でトイレをする習慣がありますので、特に教えなくても自分でトイレが使えるようになる子が多いです。食前・食後がトイレトレーニングには最適なタイミングです。

まず食べさせる前に、そして食べ終わったら、トイレに連れて行って前脚で砂をカキカキさせます。生後3~4週の子猫は、まだ足腰がしっかりしていませんので、自分でまたげる縁の浅いトイレを用意してください。砂を口に入れて遊ぶ(食べる)子がいますので、固まる砂は止めた方が無難でしょう。

トイレに連れて行ったときにタイミングが良ければ、何度かカキカキさせて、トイレにニオイを嗅がせているとそこでやってくれます。一度トイレを使う事ができた子猫は、次にトイレをしたくなった時にトイレを探すそぶりを見せます。すかさず、トイレに連れて行きましょう。

トイレは最初子猫の生活範囲に複数個用意してください。トイレの場所は部屋の隅や壁ぎわが良いでしょう。一度ニオイが付いてしまった場所は、次回もトイレになることが多いので、お漏らしした場所にトイレを置くとそこでしてくれるようになります。トイレを置きたくない、と思っている場所にし始めたら、数日はその場所でさせて、徐々にトイレを動かして誘導してください。大抵の子は、1週間前後でトイレを覚えてくれます。

後ろ脚がしっかりしていない間は、踏ん張ってウンチをするのが難しい子もいます。硬い良いウンチをする子は、肛門を刺激してあげて、出始めたらトイレに置いて続きを出させてあげてください。あまりウンチが固いようでしたら、離乳食に1滴ほどオリーブオイルを混ぜても良いでしょう。これで、ウンチが少し柔らかくなるかもしれません。
 

離乳食が順調に進んだらドライフードに挑戦!躾も開始しよう

ポリポリ、ドライの方が好き!

ポリポリ、ドライの方が好き!

たまに興奮しやすい性格の子がいます。小さな子猫のうちに、暴れて興奮しすぎたときはタオルなどでくるんで、力では人に勝てない、と覚えてもらいましょう。生後5~6週になると、活動範囲が増えてできることが多くなってきます。この頃は1日3回離乳食と、それ以外の時間に自分で食べられるように少量のドライフード(ベビー用)を置いてあげてください。 おもちゃを目で追いかけて飛びかかったり、猫キックをしたり、獲物に見立てて放り投げて遊ぶようになります。足腰がしっかりしてきて、よく走りキャットツリーや網戸を駆け上れるようになります。爪の出し入れができるようになるので、この時期に爪とぎを用意してそこで爪を出して研ぐことを覚えさせると良いでしょう。

遊びはもっぱら手と噛みつくことで行います。兄弟猫がいれば、お互いに噛みついて・噛みつかれて、痛さを覚え甘噛みを覚えますが、一人っ子だと加減を知らずに育ってしまいます。人の手や足に噛みついてきたら、「痛い!」と大きな声で叫んだり、噛もうとする口元を抑えて子猫の手足を自分で噛ませて痛いことを体感させてください。

 

※力は加減してくださいね!
 

生後8週になれば1回目のワクチンを

ワクチン接種の時には、健康診断や検便もお願いしましょう。もしもの時のためにマイクロチップも入れておきたいですね♪

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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