子猫が多く生まれる3月~5月、もし生まれたての子猫を保護したら

子猫が一番たくさん生まれるのはいつごろかご存じですか? メス猫の発情は日照時間が関係するといわれており、一般的に1月後半の陽が長くなるころから9月頃までとされています。オス猫には特に発情期はなく、発情中のメスがいれば、いつでも交配可能です。
 
生まれたての子猫を保護したら…猫の赤ちゃん育て方

猫の赤ちゃんを育てるには
 

猫の妊娠期間は63日から66日程度なので、子猫が生まれるのは3月から5月。ちょうどこれからが、一番たくさん子猫が生まれるシーズンとなります。

もし、赤ちゃん猫を拾ってしまったら。どのようにすれば赤ちゃん猫を助け、育てることができるでしょうか? 出来ることを覚えて、もしものときに役立ててください。
   

1.生まれたての子猫の保温

子猫を助けるためには、まず子猫の体温を安定させることが重要です。

体温調節がでない赤ちゃん猫は、お母さん猫のそばにいることで生きていけます。お母さん猫から離れてしまった赤ちゃん猫は、状況が厳しければ1~2時間のうちに寒さだけで死んでしまいます。子猫を保護したら真っ先に、子猫を温めて下さい。

使い捨てカイロ、湯たんぽ、ペットボトルにお湯を入れたものなどで構いません。子猫のいるスペースが38度ぐらいを保てるように温めて下さい。また、直接子猫に、熱い部分が触れないように注意して下さい。38度はお母さん猫の体温に近い温かさです。これ以上熱いものに、長時間触れていると低温やけどを起こす可能性があります。

もし雨などに濡れて子猫の体が冷え切っていたら、40度ぐらいのお湯に浸けて体の中心から優しくマッサージします。体温が戻らなければ、助けられる確率がぐっと下がってしまいます。親と離れてしまった子猫を助けられるかは、体温が戻るかどうかにかかっているのです。
 

2.生まれた手の子猫のほ乳・ミルク

子猫の体温が安定したら、次はほ乳で、栄養補給と脱水からの回復を図ります。ほ乳は、生後2週齢くらいまでは2~4時間おきに、2~3週齢になると4~5時間おきが目安です。もし、上手に飲めなかったら、間隔を短くして飲ませてください。

●子猫用のほ乳瓶
ペットショップで販売されている犬・猫用ほ乳瓶の中には大きな乳首のものがありますが、赤ちゃん猫には小ぶりな乳首の方が飲ませやすいです。

針のない注射器やスポイドでも子猫に授乳することができますが、一気にミルクが入らないよう細心の注意が必要です。勢いよく飲めると、誤飲して肺炎を起こす可能性が高くなるので、子猫がどの程度吸う力があるのかをよく確認してから飲ませてください。
 
このほ乳瓶はミルク飲み人形用のおもちゃ

このほ乳瓶はミルク飲み人形用のおもちゃ

●子猫用のミルク
子猫には必ず猫専用のミルクを与えてください。猫は乳糖を分解する酵素を持っていないので、牛乳を与えると下痢をするかもしれません。もし子猫用のミルクが手に入らないときは、コンビニでも買えるスキムミルクで代用できますが、子猫用の栄養価ではないので、1~2回の臨時食にとどめてください。

子猫用のミルクには、各メーカーそれぞれに子猫の月齢にあわせた溶かし方・与え方が指示されていますが、子猫が弱っているときは濃すぎると消化できないことがあるので、最初は少量を回数を増やして与え、様子を確認してください。問題がなければ規定量、もしそれ以上欲しがったらウンチの様子と相談して増やしてください。ミルクを溶かす濃度も、規定通りだと下痢をしたり脱水を起こすことがありますので、様子を見ながら加減してください。

●ミルクの温度
母猫の体温は38~9度ですが、ミルクはそれよりも少し温かい40度程度の方がよく飲んでくれます。

●ミルクの飲ませ方
子猫の首の後から、親指と人差し指で優しく支え、子猫の顔を上に向かせます。子猫の口と気管が真っ直ぐになるようにして、飲ませると危険が少ないでしょう。この時、前脚が宙に浮くと不安がる子猫もいますので、タオルなどで土手を作りそこで子猫の前脚が踏ん張れるようにしてあげると、安定します。

・無理強いして飲ませないこと:一気に飲んで鼻からあふれさせたり、むせて気管に入ると肺炎を起こす危険がありますので注意してください。
・終了の合図:これ以上飲みたくなくなると子猫は舌で乳首を押し出そうとしますので、それを終了の合図と思ってください。
・ゲップをださせる:ほ乳が終わったら、子猫を立てて、背中を優しくポンポンと叩き空気を抜いてください。
・毎回作りたてを:飲み残しを取っておいて、次の回に回さないでください。飲ませるときは必ず新しく作ったものにし、使用後のほ乳瓶や乳首はきれいに洗ってください。
 
針なしのシリンジで飲ませてもOK

針なしのシリンジで飲ませてもOK

●飲んでくれない場合
乳首を頑固に拒否する子や、飲む力もないほど弱っている子猫もいます。飲む力があれば、お腹が空けば飲み始めますので根気強くトライしてください。飲む力がない赤ちゃん猫は、1滴ずつ口の横から流し込み、できる限り早く獣医師に診せてください。

●初乳が飲めていない赤ちゃん猫
出産後36時間以内に出るお母さんのお乳を初乳といいます。赤ちゃん猫はこの初乳を飲むことでお母さん猫から高い免疫力をもらいます。

目も開いていない、ヘソの緒も渇いていない赤ちゃん猫は、お母さん猫の初乳が飲めていない可能性があります。そのような赤ちゃん猫を保護した場合は、免疫力が低いので、早めにワクチンを接種する、ワクチンの抗体ができるまではほかの猫との接触を避けるなどして、赤ちゃん猫をウイルス感染から守ってください。

お母さん猫からの移行抗体(免疫)は、そのお母さん猫の免疫力にもよりますが、通常は3~4週齢で切れ始めます。
 

3.保護した子猫を清潔にする

健康なお母さん猫に育てられている子猫はピカピカでフワフワです。お母さん猫の仕事は、子猫の体温を保ち、お乳を飲ませ、体をキレイにすること。子猫は清潔でこそ、健康に育つのです。

身体にシラミやハエの卵が産み付けられていたり、ノミやダニはついていませんか? 子猫に体力がありそうだったら、手早くシャンプーしましょう。寄生虫がいる場合は、すぐに動物病院に連れて行ってください。
 

4.赤ちゃん猫に排尿・排便させる

お母さん猫は、陰部やお尻を舐めて排泄を促し、きれいに舐め取ります。赤ちゃん猫は刺激がなければ、自力では排泄ができません。子猫によっては、ミルクを飲ませる前にオシッコをさせた方がよく飲む子もいますので、飲ませる前に排泄を促してみて、食後に再度行うとよいでしょう。

●排泄のさせ方
ティッシュやガーゼで陰部とお尻を、軽くぽんぽんとリズミカルに叩きます。オシッコは敷物ですれただけでもでますが、ウンチはなかなか出ないことがあります。特に最近の子猫用ミルクは大変代謝がよいので、排便が少ない傾向が高いです。便秘かな?と思ったら、まずは獣医師に相談することをおすすめします。
 
排泄のさせ方、お尻を優しくぽんぽんリズミカルに

排泄のさせ方、お尻を優しくぽんぽんリズミカルに

●赤ちゃん猫の排便
母乳を飲んでいる子猫のウンチは濃い緑色~濃い茶色ですが、人工乳で育て始めるとベージュ~黄色っぽいウンチになります。飲ませている猫用ミルクのメーカーにも寄りますが、練り歯磨きのようなウンチは正常範囲で、水っぽい軟便は下痢なので、飲ませる量や濃度を調節し、お尻がただれないように注意してください。

かりんとうのようにカチンコチンのウンチがでるときは、ミルクを少し薄目に溶かした方が良いかも知れません。

●赤ちゃん猫の排尿
赤ちゃん猫はとても薄い尿を出します。ほとんど色が付いておらず、臭いません。もし赤ちゃん猫が濃い黄色いオシッコをしたら、水分が足りなくて脱水症状を起こしている可能性があります。子猫用ミルク缶の指示通りに希釈して与えていて、濃い尿が出る場合は、指示より薄目に溶かして飲ませてみてください。
 

5.赤ちゃん猫の環境管理

赤ちゃん猫に必要な環境は
  • 温かいこと
  • 適度な湿気があること
  • 薄暗いこと
です。

生後2~3週齢までは、フワフワした触り心地のよい敷物を入れた身体の2~3倍程度の段ボール箱でOKです。箱の下には、カイロやペット用の暖房ヒーター、湯たんぽなどをタオルでくるんだものをおき、箱の中が38度ぐらいになるように調整します。

最初にも書きましたが、お母さん猫の体温の38度より高いものに長時間触れていると低温やけどを起こす可能性があるので、もし箱の下にカイロを置くのであれば、箱半分の下に置き、残りの半分を開けておき、子猫が自分で動いて逃げられる空間を作ってください。

目は生後4~12日くらいで開きますが、はっきり見えるようになるまでには時間がかかります。子猫の間のアイカラーはキトンブルーとも呼ばれる灰青色で、陽差しやカメラのフラッシュなどの光に弱いので、薄暗い落ち着ける環境を用意してあげてください。

部屋の中は湿気が多くても乾燥しすぎてもよくありません。湿度は60~65%程度がよいでしょう。
 

6.生まれたての子猫に毎日行いたいこと

時間を決めて、毎日体重を量ってください。食前・食後、または排泄の後では体重差がでますので、決まった手順後に測る習慣をつけてください。月齢によりますが、1日に20g以上増えることもあれば、ほとんど変わらない日もあります。1週間を平均して、1日/10~15g増えているようでしたら順調な成長です。
 
毎日体重測定しましょう

毎日体重測定しましょう


飲んだ量、前後に排泄をしたかしないかなどもメモしておきましょう。赤ちゃん猫はお腹がいっぱいで満足すれば、寝るのがお仕事です。

何らかの理由でお母さん猫と離れてしまった赤ちゃん猫を助けられる確率は、とても低いです。もしかしたら、「この子は育たないだろう」とお母さん猫が見放したり、人間に託して置いていった可能性もあります。

「雑種は丈夫」とよくいわれますが、実のところ、丈夫な子だけしか生き残ることができないからそうみえるだけです。弱く生まれた子は、あっさり自然淘汰されます。また、想像以上に近親交配が多く、その場合は特に育つことができない猫が生まれてしまいます。

去勢・不妊しないと、このように救えない命が生まれてしまいます。どうか、こういう不幸な子猫を増やさない為にも、飼い主の方は去勢・不妊についてもしっかり考えてあげてください。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。