スキンケア/スキンケアの基礎知識

洗顔料は使うべき? 朝の洗顔を考える(2ページ目)

私達は通常、朝と夜の2回洗顔をします。人によっては、朝と夜で洗顔方法を変えている場合も多いようです。今回は、特に「朝の洗顔」に焦点を当てて、美肌へ導く洗顔をご紹介します。「洗顔料を使用するべきか、使用しないべきか」、実際のデータを元に考えていきましょう。

吉田 貴子

執筆者:吉田 貴子

スキンケアガイド

夜間も変性皮脂はつくられている

就寝中の変性皮脂の生成

変性皮脂は就寝中も生成される。(花王調べ)

ここまでの情報があれば、変性皮脂をそのままにしておくことによるデメリットがお分かりいただけたと思います。次は、特に夜間の変性皮脂量を確認してみましょう。

右のデータは、夜の洗顔から10時間経過後の肌表面の変性皮脂量のグラフです。変性皮脂中の不飽和脂肪酸量を測定しています。この結果からも、確実に皮脂は分泌され、それの一部は変性皮脂に変わっていることが分かります。

水、お湯だけでは落とし切れない変性皮脂

変性皮脂と洗浄方法

変性皮脂の洗浄方法による比較。(花王調べ)

右のグラフは、洗顔前の変性皮脂を100%として、洗顔後の変化をみているグラフです。洗顔料の有無に関わらず、擦らないようにやさしく洗った結果です。こめかみ、頬のいずれでも、水、お湯だけでの洗顔では変性皮脂が残留していることが分かります。油性のお化粧が水やお湯だけでは落ちにくいことからも分かるように、皮脂も落ちにくいのです。

特に20代~40代の女性が気になる鼻と頬の毛穴には、この変性皮脂が関与していることが分かります。朝夜の洗顔で、洗顔料を用いて適切に落とす必要があると言えます。

今回は、花王から提供していただいた研究結果を元に、洗顔の際に洗顔料を使うべきか使わないべきかを考えてみました。最後のデータは、顔の2ヶ所の部位に関して調べた結果ですが、もしまぶたも調べたとしたら、皮脂は計測されなかったはずです。それはまぶたには皮脂腺がないからです。その点から考えても、過剰な洗浄は肌のバリア機能を低下させ、様々な肌トラブルを引き起こす可能性があります。よって朝の洗顔の際には、Tゾーンを中心とした日中に皮脂分泌が気になる部分、ニキビができやすい部分を中心に、洗顔料を使用することをおすすめします。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して肌荒れや不調を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮し、正しい方法で行ってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。

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