スペインのVOCALOIDが日本語を歌う
「VOCALOID=日本の文化」と思っている方も多いとは思いますが、海外初のVOCALOIDもいろいろある、というのをご存じですか? そもそも世界で最初にVOCALOID製品を出したのはイギリスのZero-G社。確かにエンジンはヤマハが開発したものですが、実際に商品化したのはイギリスだったんですね。また、VOCALOIDはヤマハ単独で開発したわけではなく、スペインのバルセロナにあるPompeu Fabra大学との共同研究によって生まれたもの。そんなこともあってか、スペイン発のVOCALOID製品というのもあるのです。
そのスペインのVOCALOIDメーカーというのがVoctro Labs。同社は、これまでBruno、ClaraというVOCALOID3製品を出していましたが、12月18日、新たな女性VOCALOID3製品として、
●MAIKA
というものをリリースしました。
スペインのVOCALOIDなので、当然スペイン語で入力し、歌わせるものなのですが、同社が用意したフリーのツールを使うことにより、日本語を歌わせることも可能になっているのです。
この話、Twitter等でよくやりとりしている、だいすけPさんから教えてもらうとともに、Voctro Labsの方を紹介いただいた結果、そのMAIKAを入手することができました。
実際に使ってみると、インストーラ自体は日本で流通しているものとまったく同じであり日本語の画面にしたがって作業を進めていくことができます。しかし、ライブラリ自体がスペイン語なので、日本語の歌詞を入力しても受け付けてくれません。英語でもダメなんですね。とはいえ、スペイン語の知識はないので、そのままでは使えないのですが、
では、どうしたらいいのか?実は、まず初音ミクV3でもVY1でも、日本語のVOCALOIDで歌詞を入力し、その後、歌手をMAIKAに切り替えるのです。こうすることで、あらかじめ発音記号に変換することができるので、歌わせることができるのですが、日本語にあって、スペイン語にない発音というのが結構あるため、歯抜けな感じになってしまいます。
そこで、Voctro Labsが出しているJobPlugin「Jpn2Maika」をインストールして実行すると、見事日本語がスペイン語の発音に置き換えられ、MAIKAを歌わせることができるのです。いかにも外国人が日本語で歌っているという感じがするのが面白いところ。こんな歌声、歌い方を自分の作品に使ってみるというのも面白いと思いますよ。
このMAIKAはダウンロード購入が基本となっているし、日本のVOCALOID Storeでも取り扱っているので簡単に入手することが可能ですよ。ちなみに、VOCALOID Storeでの価格は13,860円となっています。
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