住宅ローン減税でいう「リフォーム」には、前ページのような内装や住宅設備といった一般的な改修工事の他に、「省エネ」あるいは「バリアフリー」を目的とした改修工事も含まれます。ここでは、こうした「特定の増改築」に係る住宅ローン減税についてご説明します。
自宅を「省エネ」改修した場合の住宅ローン減税の適用条件/2013年版
- 自己が所有する家屋について行なう「一定の省エネ改修工事」であること
いまや省エネリフォームには欠かせないペアガラスのサッシ
躯体の部位ごとの熱貫流率(熱の伝えやすさを表す数値)または断熱材の熱抵抗が、住宅の種類、断熱材の施工法、部位、断熱地域区分において、住宅性能表示基準上における省エネルギー等級の最高等級4(平成11年基準)相当以上の改修工事をいいます。
たとえば窓の二重サッシ化や、天井、壁、床に適切な量の断熱材を入れる工事など、熱の損失の防止を図ることにより、住宅エネルギーの使用の合理化に資する工事を指します。
改修部位として居室の窓はすべて必須になっており、必須である窓の改修工事と併せて床の断熱工事、天井の断熱工事、もしくは壁の断熱工事を行なうことで、省エネルギー等級4相当以上の工事内容を実現する必要があります。
- リフォーム工事が完了してから6カ月以内に入居し、2013年12月31日まで引き続き住んでいること
- 工事に要した費用が総額30万円を超えていること
- 増改築等をした後の住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること
- 工事費用の2分の1以上の額が自己の居住用部分の工事費用であること
- 償還期間が5年以上の借入金を有すること
自宅を「バリアフリー」改修した場合の住宅ローン減税の適用条件/2013年版
- 自己が所有する家屋について行なう「一定のバリアフリー改修工事」であること
加齢により身体能力が低下すると、歩行も困難になり手すりが欠かせなくなる
- 介助用の車いすで容易に移動するために通路または出入口の幅を拡張する工事
- 階段の勾配を緩和する工事
- 入浴またはその介助を容易に行うために浴室の床面積を増加させたり、バスタブの高さを低いものに取り替えるなどの浴槽改良工事
- 排泄またはその介助を容易に行うためにトイレの床面積を増加させたり、便器を座便式(洋式)に取り替えるなど、トイレを改良する工事
- トイレ、浴室、脱衣室その他の居室および玄関、ならびにこれらを結ぶ経路に手すりを取り付けたり滑りにくくしたり、あるいはこれら経路の段差を縮小・解消する工事
- 出入り口の扉を引き戸や折り戸などに取り替えたり、ドアノブをレバーハンドルなどに取り替える工事
- リフォーム工事が完了してから6カ月以内に入居し、2013年12月31日まで引き続き住んでいること
- 工事に要した費用が総額30万円を超えていること
- 増改築等をした後の住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること
- 工事費用の2分の1以上の額が自己の居住用部分の工事費用であること
- 償還期間が5年以上の借入金を有すること
<バリアフリー改修工事を行う人に対する適用条件>
バリアフリー改修工事の実施により住宅ローン減税の適用を受けるには、工事実施者についても以下の条件が付されます。
- 改修後の住宅に居住した年の12月31日時点で50歳以上の人
- 介護保険法に規定する要介護または要支援の認定を受けている人
- 所得税法上の障害者である人
- 居住者または親族のうち、上記(2)や(3)に該当する人、もしくは65歳以上の人のいずれかと同居している人
住宅ローン減税の確定申告は2014年3月17日(月)までです。不備なく手続きができるよう、早め早めの準備を心がけるようにしましょう。