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住宅市場も「ポイント中毒」から抜け出せなくなっている。今や「住宅ローン減税」なくして、需要喚起は困難。

「失われた20年」と言われる日本経済。長引く不景気の影響によって、今般、消費者は購買行動を大きく変化させており、今では誰もが「ポイント中毒」から抜け出せなくなってしまいました。

ポイント中毒とは、何かインセンティブ(誘因)がないと消費行動を起こせなくなっている消費者の心理描写を意味します。「家電エコポイント」や「エコカー補助金」などに代表される交換商品の付与や補助金の交付(=インセンティブ)なしには、購入の決断ができなくなっている心理状態を指します。要は、誘因がないと購買意欲をかき立てられなくなっているのです。消費者は完全な“ポイント漬け”状態に陥っているわけです。

こうした傾向は住宅市場も例外ではなく、「住宅エコポイント」の需要喚起力には目を見張るものがありました。そして、「住宅ローン減税」にも同様の傾向が見て取れます。国土交通省の「平成23年度住宅市場動向調査」によると、新築住宅を購入した人の64.0%、中古住宅を購入した人の62.2%が住宅ローンを利用しており、そのうちの新築住宅では89.8%、中古住宅では56.8%の人が「住宅ローン減税」の適用を受けています。こうした消費刺激型の経済政策は、今や景気対策として不可欠な存在になっており、同じく住宅取得者にとっても“お徳感”を感じられる重要な税制優遇措置となっています。

しかし、住宅ローン減税の恩恵を受けるには、すべての適用条件に合致する必要があります。1つでも該当しない項目があると、いっさい税還付は受けられません。ぬか喜びに終わらないためにも、適用条件を正確に把握することが欠かせません。以下の説明を参考に、ご自身が適用条件に当てはまっているか事前確認を怠らないようにしましょう。

住宅ローン減税を受けるための適用条件/2012年版 

  • 自己居住のための住宅を新築、あるいは新築住宅を購入し、新築あるいは購入した住宅の床面積(登記簿面積)が50平方メートル以上あること。なお、メゾネットタイプなど複層階構造の場合は、全フロアの延べ床面積を起算とする。
  • 上記床面積の2分の1以上が、専ら自己の居住の用に供されること(店舗併用住宅などの場合は注意)
  • 償還期間が10年以上の借入金を有すること
  • 控除を受ける年の合計所得金額が3000万円以下であること(サラリーマンなどの年収に換算すると約3336万円)
  • 取得後6カ月以内に入居し、2012年12月31日まで引き続き住んでいること。ただし、居住の用に供する住宅を2以上所有する場合は、“主として”居住の用に供する一つの住宅に限られる
  • 配偶者(婚約者を含む)や同居の親族から購入した住宅でないこと
  • 給与所得者が使用者(会社)から使用人である地位に基づいて時価の2分の1未満の価格で譲り受けた住宅でないこと
  • 建物の取得を伴わない、土地だけの取得は対象にならない
  • 中古住宅の場合は、次の(1)または(2)または(3)のいずれかに当てはまること
(1)マンションなどの耐火建築物では、取得日時点で築25年以内であること
(2)木造住宅などの非耐火建築物では、取得日時点で築20年以内であること
(3)「耐震基準に適合していることが証明された住宅」であれば、築年数は一切問わない
 ※ただし、2005年4月以降に取得した場合に限る。

  • 認定長期優良住宅の新築・取得に係る住宅ローン減税の特例を適用する場合は、認定長期優良住宅であると証明されたものであること
  • 認定低炭素住宅の新築・取得に係る住宅ローン減税の特例を適用する場合は、認定低炭素住宅であると証明されたものであること

2012年度の税制改正により、低炭素住宅(二酸化炭素の排出の抑制に資する住宅)を新築・取得した場合、住宅ローン減税の恩恵が受けられるようになりました。12月4日に「都市の低炭素の促進に関する法律」が施行され、ようやく法整備の基盤が整ったことで、認定低炭素住宅を新築した人には税制優遇の恩恵が与えられることとなりました(後述)。


次ページでは、中古住宅の取得者がその適否を判断できるよう、築年数の確認方法について説明を補足します。